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憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)の商品レビュー 論理的だけれど
なぜ立憲主義が必要で、その立憲主義と両立できる安全保障制度とはどのようなものかを問う本書は、立憲主義の意義を説くことをメインとするもので、立憲主義と平和の関係をめぐる問いは、その応用問題ということになります。平和主義を扱う本のうち、本書のように立憲主義に紙幅を割くものは、そうは見かけません。まず民主主義について、長谷部教授は多数決という制度に遡ってこれを論じ、民主主義によって決定すべきでない事柄を明らかにします。社会全体として統一した結論を出すべきではない問題があるという前提に立ち、そのような問題については民主主義という枠組を排除するものとして、立憲主義が描かれています。立憲主義の内容と役割は、比較不可能な価値が共存しうる社会を作ることだと整理されます。そこで、公私の区分という手法によって、民主主義で対応すべきなのか、それとも立憲主義で対応すべきなのかが決定されるということになります。平和を維持するための方法として考えられる複数の方法について、それぞれ方法の主張者が暗黙の前提とする国家観・戦争観と方法との整合性、そして立憲主義との整合性が論じられていきます。結論として、本書は自衛のための実力組織を保持することを完全には否定しない選択肢を採用し、これを「穏和な平和主義」と呼びます。憲法第9条は、合理的自己拘束という観点から評価されることになります。民主主義による決定では、社会全体の利益に適うための条件が欠けるので、不合理な結論になる危険があり、あるいは各国が独自に軍備することは,軍拡競争を招くという予想などから、憲法9条による規制が不合理な決定の可能性を根本から否定して軍拡を抑制する役割を担うというものです。非常に論理的でたしかにそうだなあと思わされてしまったのですが、読了して一抹の寂しさを覚えてしまったことも否定できません。東大法学部の憲法学者が自衛隊を合憲だと主張することは、私がこれまで読んできた憲法学者の書籍からすると意外で、時代も変わったのだなあと思わされてしまいました。これが今の最先端の憲法学説のようですし、現実的な理論の需要があるということなのでしょう。 なぜ憲法を守ることが平和を導き出すのか、原理的な回答を冷静に議論する日本人必読書
憲法を少し勉強すると「立憲主義」という言葉に出会う。賢い受験生は「国家権力を制限し、広く国民の自由を保障する考え」と丸ごと暗記する。本書は、そんな東大「予備校」から機械的に官僚を産出するための本ではない。なぜ「立憲主義」という考えが生まれたのか?戦争と平和の関係にいかなる影響を及ぼすのか、さまざまな考えを持つ人が平和に共存して社会生活を営む基本的枠組みとは何か?について、深く怜悧で緻密な議論を展開する本である。憲法についての世界に誇る書物である。軽薄短小なお手軽憲法論がバカ売れし、国民もそれに浮かれているかのようであるが、今一度冷静に戦争、平和、憲法との関係について、本書のような透徹した論理を基にした議論を家族やサークルで共有して議論の叩き台にしていただきたい本である。友人にも是非お勧めして欲しい。ちなみに、憲法9条の政府見解は「個別的自衛権は許容されるが(自衛隊は合憲)、集団的自衛権は許されない(アメリカのお供で自衛隊を派兵することは違憲)」という立場であり、長谷部教授もその政府見解と同じ結論を緻密な議論により導き出す。9条=自衛隊違憲と勘違いされている方は、誤解を改めて欲しい。 しっかりとした論理の憲法解釈
この本は「平和」より「憲法」の方が主ですね。 立憲主義
立憲主義を元に日本国憲法について考察していくのが本書である。ただ著者 憲法と平和を理性的に論じる視座を提供する
憲法と平和を論じる上で理性的な議論の視座を提供する良書。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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