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戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)

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戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)の商品レビュー

4.0 戦場の兵士が身近に感じられる一冊
 戦争現場において銃から発射される弾丸の多くは相手を殺していなかった。兵士達は仲間に軽蔑されたくないから、必死に戦う格好をして発砲を続けるものの、実際に敵兵を狙い撃ちして殺せる人間は少数――。
 戦争という現場での心理を、退役兵で心理学者の著者が克明に綴った本。極限の場であるはずの戦争の場での心理が、どこか身近に感じられる一冊。
 人間は人間を殺すことに抵抗を覚える、しかし単純に距離的な条件を変えたり、抵抗を少なくさせるような訓練を積むことによって、殺害率は上昇する、と筆者は主張している。戦争に限らず、一般社会に転用して考えることもできる本であり、テレビの有識者のコメントよりも、現代社会における殺人者というものの本質に触れている気がする。
 ただし主張の核である「本質的に人は人を殺すことに抵抗を覚える」という部分は、それが人間(生物)としての本性ゆえなのか、現代社会の道徳文化の刷り込みゆえなのかの検証がなされておらず、続刊「戦争の心理学」において著者自身、真逆の主張をしていたりとブレている。とりあえず、現代文明社会の人間は人を殺すことに抵抗を覚える、という範囲内で理解しておくのがいいかもしれない。
5.0 戦争という大量殺人の深層
これを読んで嫌悪感を感じる方はいるかもしてない。実際に戦場に於いて敵兵を殺した
兵士の証言が生々しく書かれており、もしかしたら読むことすらトラウマになるやもし
れない。
無論、そこまでサディステックに書かれているわけではなく、本書の目的は殺人を奨励
するのではなく、殺人を侵す過程における心理状態を探っており、人殺しの心理を解明
するのが目的である。

日本人には会わない論理だというかもしれないが、平和国家日本に於いてサディズム的
殺人事件が幼年化し、その原因について実は本書で後半部に於いて示唆されている。
導入の章で戦場の例が取り上げられているが、他人事と思われずにあえて読み進めて見
ると、本書の問題とする事が、まさに今起きている問題と一致することに驚かれるかも
しれない。
5.0 戦場で何が起きているのか
映画やドラマで主人公の弾は敵に命中するのになんで敵の弾は味方に当たらないのだ矛盾してる、などと私は思いながら映画やテレビを見ることが多かった。しかしこの本を読み終えた今、ふとそれらのことを考えるとあながち非現実的ではないように思える。ゲリラやテロリストが特殊部隊に急襲され一方的にあっという間に制圧されるのはフィクションのご都合主義ではないようだ。

「訓練と実戦は違う」「彼はプロの訓練を受けている」「人を殺すのは難しい」「何をしてる早く撃て!」よく聞かれるこの台詞の本当の意味が本書を読むことで明快になる。いつ死ぬか知れない戦場で兵士が荒々しいのん気な冗談を言っているのは何故か、鬼軍曹がいつも訓練中に顔を近づけてボロカスに罵るのは何故か、私が勝手に「所詮映画だから(笑)」と思い込んでいたベタなシーンの数々は実はリアルな描写だったのではないだろうか。そこには明確な理由があるのだ。

「何故人は戦争をするのか」という問いは多いが「何故人は殺さないのか」という視点は珍しい。兵士が敵を戦場で殺すのは当たり前だとどこかで思い込んでいた現代人の私には目からうろこである。私も含めてレビューだけでは書けない興味深いエピソードが満載なので是非読んでみて欲しい。「え?戦場って実際はそんな感じだったのか」と衝撃と正しい認識が得られると思う。
5.0 人殺しと戦争と平和
アメリカ軍において、第2次世界大戦で敵に向かって実際に発砲した兵士の比率は15〜20%であったという。それが、朝鮮戦争時には55%となり、ベトナム戦争時には90〜95%にまで劇的な上昇を見せた。

何故そういうことになるのか。自身も軍歴の長い著者は、この大部な本の中でその問題に分け入っていく。その分析は、膨大なインタビューや手記、また数多くの先行研究を引きつつ、戦場に置かれた一人一人の心の動きやそれを規定する諸条件をあぶり出していく。そのような環境や条件の下に置かれたなら、またそのような訓練を経たならば、読み手自身もここに書かれている行動パターンをはみ出すことは難しいのではないか。そう思わせるリアリティがこの本にはある。

繰り返し強調しておきたいが、本書は観念的・皮相的な戦争賛美や反戦論とはまったく趣を異にする。「他者を殺す」とはどういうことなのか。戦場に送られた兵士は何を見て、何に傷ついて帰還してくるのか。もし「戦争と平和の規範」というものが成立するとすれば、それは圧倒的な証拠をもってここに提示されている「人間の現実」を踏まえたものでなければならないと思う。
5.0 戦争を行うことの是非を考える前に読まなければならない一冊。
色々なことを考えてしまって、訳がわからなくなってしまうとともに、戦場において「人を殺す」ということに対する兵士の心理を研究する意味は一体どこにあるのだろうと考えずにはいられなかった。

過去に行われた兵士の心理の研究目的は、戦地において兵士が敵を殺すことに抵抗を感じない作戦、武器、配置をどうするか、究極的には抵抗を感じない兵士をつくり上げることにある。そして、アメリカにとって、その研究成果のひとつがベトナム戦争だったのである。

つまり、「兵士は敵を殺す事に非常に強い抵抗を覚える。だから、戦争はやめるべきだ」ということではなく、「だから、このようにやれば敵を殺すことにためらいをもたない兵士をつくることができるはずだ」ということだ。

戦争がこの世からなくなることはないのだろう。そして戦争をやる限りは勝たなければならない。だから、このような研究は有益であり必要悪であるに違いない。

著者は20年以上を職業軍人として生きてきた人物である。しかし、兵士に命令を下す指揮官の立場にある期間が長かったようだ。前線に立ったことはあるのだろうか。更に軍人として人を殺した経験はないという。著者は、経験がなかったからこそ冷静さや客観性を保つことができたと記している。確かにそのとおりだと思し、感情論には走らない説得力のある内容だ。でも、何かが胸につかえたままのような気がしてならない。

この本は、米国ウェストポイント《士官》学校の教科書として使用されているとのことだが、なんだか薄ら寒い感じがしてしまうのは、実際に人を殺すのは、ここを卒業して即指揮官となる彼らに命令を下された前線の《兵士》だからである。

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