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戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)

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戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)の商品レビュー

5.0 人類『黄猿は除く』
これは 第二次世界大戦ではヨーロッパ戦線の兵士の心理状態を中心に扱っていて 朝鮮戦争 ベトナム戦争では対黄猿だから 容赦しなかっただけ。 と私は推理している。
5.0 人を殺すのは難しい?それとも簡単?
この本は「殺す恐怖」に起因する事柄について主に書かれていて、
『戦闘神経症』や『戦闘ストレス反応』といった、「殺される恐怖」に起因するものはあまり書かれていない。
自己保存の本能から考えると「殺される恐怖」の方が上回ると考えられるから
『戦闘状態で人を殺すのは簡単』という事になるのかもしれない。
でも、実際は種の保存ともいうべき本能によるのか、同種の人間を殺すことにはかなりの抵抗が生じるようだ。
戦闘中にだって相手を殺すことができずに殺された人も多いという。

殺されれば人生はそこで終わりだし、殺しても死ぬまで罪悪感で苦しむわけだ。

ダグラス・マッカーサーの言葉
『兵士ほど平和を祈る者はほかにいない。
なぜなら、戦争の傷を最も深く身に受け、その傷痕を耐え忍ばねばならないのは兵士だから』
この意味をもっと考えるべきだと思う。
5.0 人を殺すという事がどれだけの負担となるのか。
人は同類を殺すことに強い抵抗感を持っている。兵士たちは抵抗感から、仲間や自分の命が危ないときであっても、人殺しを躊躇い、良心的な兵役拒否者になるものが多かった。
第二次大戦後、兵士の発砲率の低さに気づいた軍は、訓練によって発砲率を向上させることに成功する。
第二次大戦では15%だった発砲率を朝鮮戦争では55%に、ベトナム戦争では90〜95%に向上させた。
兵士は発砲できるようになったが、代償としてPTSDになってしまった。


この本は第二次大戦以前の戦争と異なり、べトナム戦争は帰還兵のPTSDが大きな問題になったのかという問いに答えを出していると云える。

殆どの人は人を容易には殺せない。
しかし、2%ぐらいの人間は何のためらいもなく人を殺せる。
普通の人間でも訓練しだいでは容易く殺せるようにもなる(その後PTSDに苦しむことになるが)。
また、間に機械や距離(心理的、社会的なものも含めて)を介在させれば、殺しはより容易くなる。

人に強制的に殺しをさせる戦争とはどういうものかという事を考えさせられた。
5.0 難しいが面白い
作者は軍隊に所属していた経験があり、更に心理学者でもある。
話の流れは系統だっていて、読みやすい。
情報のソースについても丁寧に説明されていて、好感度が高かった。
文庫でこの値段だが、買っても損では無いと思う。
普通の本に比べて何倍もの時間やエネルギーのこもった力作といえるだろう。

日本に住んでいると戦争というものがとても遠い存在で、軍隊がどんなものなのかということも深く知る機会が少ない。たとえば、
世界中の戦場では、実際にはどのようなことが起こっているのか?
誰もが兵士になると平気で人を殺すのか?
などの質問に対する答えは中々得られない。
この本は戦争下での兵士について実に具体的に書いている。
戦場で戦った兵士の体験談もいくつも載っている。
興味深かったのは、古代の戦士がさして本気を出して殺しあってはいなかったということだ。人を殺すのは、現代の人々がマスメディアから得た情報を元に想像するより、ずっと難しいことなのだと作者は言う。
戦争をして殺しあうのはけして人間の本能ではないのだと知って、単純に嬉しかった。
生き物は同種間での争いでは殺しにまで発展しないのが普通であり、人間にも同様の本能があって、それが強烈なあまり、兵士は自分が死の危機に瀕していても相手を殺せないことがごく普通にあるのだという。

敢えて少し残念なところを挙げるとしたら、作者がアメリカのことを好き過ぎないかという点くらいだろうか。アメリカがやっていることは必ずしも正義の戦いではないし、国家という大きなものが動く裏には、間違いなく利益があると思うので。
5.0 戦闘中の兵士の心のプロセスを研究し、戦闘員を癒す必要性を訴える良書
 戦争における殺人を、軍人でもあり心理学者でもある著者が研究した成果である。戦争を必要悪とする人でも、積極的に殺される方を選ぶ人でも読んで損は無い研究書だ。

 WW2後の研究で歩兵部隊の2割しか発砲していないことが分かった米軍部は愕然とした。その他は、弾を込める、けが人の介護、威嚇射撃等で殺人を避けていたのだ。

 その後、戦闘中の殺人に関する心の研究が進んだ。戦闘中の殺人行為には、物理的・心理的な距離や、味方への脅威・信頼関係などが影響する。例えば、遠くからなら、条件反射なら、責任を転嫁できるなら、戦友を守るためなら、発砲できる。その後訓練は見直され、ベトナム戦争では発砲率は9割にも跳ね上がった。

 ところが、ベトナム戦争後に兵士を待っていたのは、殺人者と罵り唾を吐きかける市民だった。結果、PTSD患者が続出し、米国はこのころから様々な社会問題が噴出し、後の世代(子や孫)まで影響を与えている。戦闘から帰還した兵士には心の癒しが必要なのだ。

 日本は大丈夫だろうか。凶悪な敵に警察・自衛隊は適切に発砲できるだろうか。戦い終えた功労者を暖かく迎えるだろうか。彼らを殺人者と見なすようなことをしないことを願う。

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