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包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)

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包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)の商品レビュー

4.0 天童荒太のジュブナイル小説
作者の以前の作品とは異なり、明らかに読者を若者にしぼって書き下ろした作品だと思います。今までの作品のような暗く、重苦しい雰囲気はありませんが、未成年だからできる無意味な行為、純粋さ、他人を思いやる心にあふれていて、とてもすてきな作品です。ぜひ、子供たちに読んでもらいたい本ですね。
4.0 なんという諦観
包帯クラブの活動内容は「誰かが傷ついた場所に包帯を巻く」ただそれだけ。ただそれだけの行為ですが、これがびっくりするくらい心に効きます。本の中でいろんな「傷ついた場所」に包帯が巻かれていくのを読むと、まるで自分の心も一緒になって癒されていくよう。

それにしても、そもそも私たちはいつから「癒される」ことをこれほどまでに必要とし始めたのでしょうね。「傷つくこと」を極端に恐れるようになったのは一体いつからでしょう?

昔はきっともっと「戦っていた」はずです。傷つくことを恐れずに、大切なものを守るために、必死で。
でも「包帯クラブ」を結成したワラやタンシオたちは、戦うことを放棄し、ただひたすら傷口に包帯を巻くことを選択します。

なんという諦観。高校生にしてすでに、戦うことの無意味さに気づいてしまうほどの「苦い経験」をせざるを得ない現代の日本。胸がつまります。

大切なものを守ろうとして戦ってきたけれど、結局は大切なものをたくさん失ってしまった、そんなあなたに。この包帯はきっと効きますよ。
5.0 映画→小説の順が○
映画を観た後に小説ではどんな風に書かれているか気になり読んでみました。
比較するとそれほど大差は無いのですが、小説と比べ映画ではディノの心の傷がハイライトになっており、小説では成人になったディノの消息が物語りを引っ張る牽引車になっておりました。そのほか映画独自の演出がありましたが、小説には無い盛り上げ方をしていて映画も小説も楽しめました。映画を観てしまった後で小説を読んでも楽しめるので二度おいしかったです。
この作者の小説は今回初めて読んだのですが、主人公の心の動きが瑞々しくて良かったです。残念なのは他のレビューを見させて貰うと、この作品は天童荒太の小説としては異例であるということです。
4.0 切ないけど、スカッとした物語。
映画を観る前に読もうと思い、読みました。

僕好みの青春小説でした。
主人公の女の子の心理描写なんて見事だなぁ、と。

何でもないような事が、
時に人を傷つけ、
時に人を助ける事がある。
それを知ってしまうと、
夢中になってしまう瞬間がある。

誰かのためにやれる事。

本当はいつだって探していた。
けれども、
簡単には見つからない。

仲間がいて、
その場所があって、
一緒にいられる時間がある。
奇蹟のようなタイミングが、
一生忘れられないような、
自分の生涯の支えとなるよな出会いが、
出来事がある。

とても突拍子もないような事だけど、
なんとなく、理解できちゃう。

そんな、スカッとした物語。
5.0 誰もが伝えて欲しいもの
この小説は題名の通り、包帯を巻くという行為が重要ではあります。心の傷を受けた場所に包帯を巻き、
その傷を傷として認識する。そうして、血が流れていた傷として他人からも認めてもらえるのだ。
しかしこの著者はただその行為から感じる癒しを読者に共感してもらうことだけを伝えたくてこの小説を書いたのではないと思う。
キーワードはこの小説のはじめと終わりにある、口にするのも恥ずかしい、ある言葉。

傷が出来るときというのはどういう時か?
裏切られるとき、失敗して自分を責めるとき、失恋したとき…。そういったときは全て、愛が関わっているはずだ。
友人への愛が裏切られるときに壊れ、失敗したときは自分への愛が、失恋したときは恋人への愛が壊れる。
愛を壊されたとき、つまり傷を負ったときどうするかはその人次第だが奪う側にまわる人も多いだろう。
友人を信じれなくなり次は自分が裏切ってしまう、失敗した他人を責める、失恋の相手を憎む。

だからこそ包帯を巻き、戦い奪う生き方ではなく守る生き方が今必要なのではないだろうか。
守るうちに戦ってしまうこともあるのだけれど。更には包帯をまいて傷を癒す行為も愛が源と言えるのではないのでしょうか。

映画化が決まるにあたって
「自分の伝えたい普遍的(国際的)なことがより世界に向かって発信されやすくなる」
と著者は言っていました。その伝えたいこととは―包帯を巻く行為を媒介として伝える、愛の大切さであると感じました。
なぜなら映画にも終盤にこんなメッセージがあったからです。
「時として俺達は いろいろなものに邪魔をされてそれを見失ってしまうけれど
 本当はいつだって どこにだって それはあるんだ。」

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