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「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)

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「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)の商品レビュー

5.0 「支配」=統治は、苦行であり報われない
 岡田氏は、「世界征服」は可能か?と問う形を借りながら、「世界征服」は必要か? 実務としての「世界征服」へ至る工程を提示する。
 1958年生まれの岡田氏は、同世代あるいは同質の情報に接した氏と前後する世代に、『仮面ライダー』『レインボーマン』『バビル二世』....『北斗の剣』と次々と事例を投げかけ、団体運営実務、プロジェクト遂行実務....統治実務と想定される乗り越えべき課題の在処を示し、「秘密結社の力による世界征服」の困難性を解き明かす。
 岡田氏は、最後に価値観の転換による世界の作り変えの可能性を提示する。その世界の入り口として、本書が構想されたものと思われる。
 密かに世界征服を狙う貴方のための一冊です。
4.0 ユーモアを交え、要所はまじめに。こういう本が一冊くらいあってもいい
「世界を支配したからって、好きなことができるわけではない。逆に揉め事を持ち込まれ、だれよりも公平であり中立であることを要求され、気に入らなくても処刑も弾圧もできず、むりにやったらいずれ滅ぼされる。それが現実の『世界征服』の姿なのです」。

なかなか凄いタイトルだ。アイディアがよい。アニメやヒーローものや映画でひんぱんに登場する普遍のテーマをユーモアたっぷりに論じながら、でも実際の社会でこれをやるのは大変だよね、やるとしたらまずこうしなきゃ、というノリで論じる。途中、何度もにやりと笑った。記述が具体的で例示を伴っている部分が多いので、読みやすい。

基本的には軽い内容だが、時々鋭い視点が登場する。例えば「次に支配者が忘れてはいけないのは教科書の改訂です」「(現代の)日本は階層社会になろうとしていますが、階級社会ではありません」とか。ローマ帝国とアメリカの比較も面白い。

こういう本が一冊くらいあってもいい。
3.0 おもしろい本だが、読んでいて混乱する
読んでいるうちに自分の立場がどこだっけと、わからなくなってくる。あれ、自分はそもそも世界征服なんかしたかったか?そもそも自分が人間である以上、世界征服は難しいだろ。せいぜい、どこかの独裁国家に毛が生えたものにしかならない。悪の帝国の分類もあやしいものだが、またいつもの岡田節で悪の組織を分析している。彼はよく、説得力はないが納得力はあると言うが、まさにそんな感じの本だ。
アメリカがローマ帝国の末裔を自認しているというのは面白い。そして、日本でアメリカの上院と呼ばれているものは、正式名は元老院であって、それはスターウォーズの帝国の元老院と同じというのは興味深かった。もっとも自分で調べてみたら、ヨーロッパ諸国の上院に相当するものは、大体元老院という名前だった。
彼の話は面白いが、どこまで本当かは自分で調べてみる必要があるだろう。

4.0 興味があったら、とことん調べて・自分で考察してみることで新しい結論が見えてくる。
○読み始めたきっかけ

 「いつまでもデブと思うなよ」が面白かったので、こちらの本も読み始めました。岡田氏はとても好奇心
の強い子供だったのではないかと思います。そしてそこ好奇心をこまめに調査/分析/記録するのが好きな
タイプなのでしょう。コレクションの趣味もあると思います。そうでなければ、レコーディングダイエット
を続けられなかったと思いますし、今回の世界征服についての考察も、普通の人はここまで調べたり考えた
りしないでしょう。興味があったら、とことん調べて考えて、自分なりの結論を出してみること。この本を
読んで、勉強になりました。

○心に残る言葉

p.148 アメリカの南北戦争で、北軍が勝利したのは「自由主義経済のほうが奴隷主義経済よりも儲か
る」という事実のため。

→北部では奴隷を解放して、「消費者」となった。また、自分で稼ぐようになってからは、モチベーション
もあがって生産性が高くなった。そのため、経済力が南部に比べて北部が勝るようになり、装備や兵站など
で南軍に差がついたため、北軍が勝利した。このように岡田氏は考察をしています。これが事実かどうかは
分かりませんが、論理としては成り立っていると思います。他の方の考察も調べてみたいと思いました。

p。182 「悪」とは、「その時代の価値/秩序基準を破壊するもの」です。(中略)では、「現代の価
値・秩序基準」とは何か?それは、「自由主義経済」と「情報の自由化」です。

p.185 世界征服を目指す人とは、現状を否定する人のことです。

○どんな人にお勧めか

 ふとした疑問があるとどうしても解決しないと気分が悪い人にお勧めです。
3.0 仮面ライダーもしんどいけど、ショッカーの首領もつらいのよ
「世界征服」とは、案外割の合わない行為らしい。「目的」を持って「ビジョン」を掲げ、賛同してくれる「人材」を募集し、武器や格闘の「研修教育」を行う傍ら、活動のための「資金」集めに奔走し、それを元手に「兵器」や「秘密基地」を購入・建設する。そしてようやく準備が整い、「計画」を遂行した結果幸い世界を征服できたとしても、実は本当の苦労がそこから始まる。
支配下に置いた者同士の争い事の仲裁、贅沢な暮らしを続けるための産業の振興、部下のモチベーション維持、後継者の育成、あるいは温暖化をはじめ地球規模の問題にどう対策を講じるか等々、今の世界(地球)には支配者が手を下さねばならない問題が山積みだ。支配者だからといってあまりに強圧的手段ばかり取っていると、いつ配下の者に逆ギレされたり寝首をかかれるか分からず、おちおち眠ることもできない。
仮面ライダーも大変だが、ショッカーの首領をやるのも結構しんどいもんだなあと、本書を読んで感じた次第。

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