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渋谷

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渋谷の商品レビュー

4.0 写真を撮る、撮られるということ
東京漂流、乳の海、そして渋谷。今回は写真が少ないのがちょっと残念ですが、内容はさすがです。こんなふうにあたたかくありのままを受け入れられる眼差しをどうやったら持てるのでしょうか。
ここに登場する3人の少女たちの物語はそれぞれに悲しく、つらくなります。かつて少女だった私が彼女たちの気持ちに共感する部分と、2人の娘の母親として、この少女たちの母たちの気持ちもとてもよくわかるからでしょうか。
うち、2人の少女が、撮影されたことによって自分の立ち位置を得て新たな一歩を踏み出すことに救われます。写真を撮られることによって今現在の姿を肯定してもらえたから、次に進めたのだというくだりには、はっとさせられてしまいました。自分は娘たちの今の姿を、さらに、自分の今の姿を肯定しているのだろうかと。
娘の持っているプリクラ帳には、私の前ではめったに見せない娘の顔があります。彼女達も自分の不在に対して、自らの手で承認を与えているのでしょうか。
そして自分、写真を撮られることが昔から大嫌いな私は、今の自分を肯定するすべを持っていません。今度家族で写真を撮ってもらおうと素直に思ってしまいました。
2.0 藤原新也は終わったのか
内容が悪いわけじゃない。でも薄っぺらい。これだけ?
もう過去のような作品を彼に書くことはできないのか。
写真も少ない。
福岡で少女を撮ったことで少女の態度が変わったという話は、
その他の書籍でも雑誌でも聞き覚えがある、2度目、3度目の話。
SWITHで撮影した渋谷の写真もない。
ネットにアップしている問題の女子高生写真もない。

風俗に勤める少女に説教。
元ギャルとのよくありがちな会話。
確かに、なるほどと思う部分も多少はあるけど、
この程度なら、他の誰でも書けそうな、
ややもすると陳腐なストーリーだ。
4.0 牛と少女。
最近、この本を出版したせいか、藤原氏が朝日新聞に何度か教育問題についてコメントしています。

その中のひとつのコラムに、電車の中で座り込む数人の少女たちの写真が掲載されていました。
この本「渋谷」で取り上げられた写真です。

藤原新也は、インドの牛を撮るような感じで少女たちをとらえているように思えました。

商業主義で埋め尽くされた都市の街角で、唯一、野性味をおびた生命力を感じさせる存在。
それは、大人たちが顔をしかめ敬遠する、ある種の少女たちなのかも?

熱帯の赤茶けた路上で、突っ立っている牛と、電車の中でたむろする少女。
僕の頭の中で、二つの映像が対比しました。
 
ぼくの住む田舎から渋谷は遠いです。(この間20年ぶりに訪れ、やまんば娘を発見)
しかし、この本の中での、少女の心の荒廃と母親との関係は、どこにでもある身近な問題です。
人の成長と規範。
成長の過程で、反発しながら受け入れていく規範がなんだか定まらない。
反発は暴走し、自殺や売春などの自傷行為を招く。

社会のどこにも定まらない少女たちを、藤原氏はあたたかい目で受け入れているような気がします。
 
考えすぎでしょうか、、、?
5.0 不覚にもラストに号泣。
渋谷という一日五十万人が行き交うスクランブル交差点を抱える街は、四方坂になっており、戦争で原子炉が爆破されるかサリン等がばらまかれたりしたならば逃げた方がいいとの行間に、よもや自分と云うこの世で一等巨大な空洞シェルターに辿り着いたならば、逃げろ、狂ってしまう!といった警告を感じた。
とりもなおさず、ここに出でくる少女達は、その自分の空洞に彷徨い直視しつつ、仮に身を売り死に急いでも、この現世から居場所がなくなることを貪欲なまでに危惧せぬ時代思潮問わぬ普遍の諦観が恐ろしい程に感じられる。 なぜならば、ここに出てくる少女達は、安住の地、偽り、幻、夢………といった言葉の群れを「自分」などと詭弁化しない点にある。寧ろその場所が偽りだと自覚すれば、その場を離れる強さを兼ね備えている。その、「その場所」とは全編を通して感情という意味での自分すなわち不毛なデフォルメを盲信しない。真の退廃とは、他者が軽々しく踏み込める場所にはないとの愛情を識る力作。
5.0 colorについて
 いつだったか、なにかの本に女性のほうが色彩数が多いとか、、、
そこから考えると、わたくしはillustをやるものだから、紫陽花色と
言ってこの色をよくつかう。今まで藤原新也氏の作品群を全て読んだか゛
中にいくつかお遊びかどうか知らぬが、いろいろな仕掛けがあった
のを記憶している。
 さて、渋谷は私には近い街ではあるが、この本のような世界をまったくわたくしは
知らない。読んでいて何度も前に進めなくなった。
 自分の中にも同じではないが、反抗的なことがいくつもあるからである。
そして、写真を撮ることが非社会的行為であると語る著者の考えを
初めてしった。それとともに優しいまなざしで心を解きほぐすとも語っていた。
 そんな著者が果たしてどれだけ何かを大衆に伝えたか、という事も同時に
知りたいとおもった。
 沢山の年齢層に読んでもらいたい、そして寄り添う大人の一人に
わたくしもそうだが、なってもらいたいとも思った。

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