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▼STORY 書物が禁じられた世界で『ミステリ』を求めて 旅をする英国人少年のクリスは、森に潜む 殺人鬼として恐れられている『探偵』の噂を聞く。 町の家々に赤い十字架を書き残し、 被害者の首を斬る『探偵』の意図とは? ミステリを検閲するために育てられた少年エノが、 怪しくも哀しい、異形の論理を解き明かす。 ▼EXPLANATION 書物が存在しないのに、人々に識字能力があったり、いくら寓話性を 付与するためとはいえ、ミステリの概念や知識だけが現実に多大な 影響力を持っていたりと、設定でやや甘い点があるのは否めません。 しかし、そうしたツッコミ所に目をつぶれば、 実に魅力的な世界像が提示されています。 日本が舞台であるにも関わらず、欧州を思わせる幻想的な雰囲気があり、乱歩 のジュブナイルのような稚気や、少年期特有の感傷が全篇を横溢しています。 キャラに関しては、健気なクリスと、有能さと脆さを併せ持つエノのコンビも もちろんいいのですが、個人的には音楽家のキリイ先生がお気に入りです。 飄々としているようで、どこか抜けていたり、 朴念仁のようで、天然のジゴロであるキリイ。 ジュブナイル特有の大人と子どもの間にいる 境界人として、確かな存在感を発揮しています。 ミステリというジャンルが、高度化・複雑化した現在。 本作は、そんな状況下で失われつつあるものに 捧げられた挽歌なのかもしれません。
物語の中の世界設定が面白い本でした。 技巧を凝らして、そこに重点を置くミステリーが 好きではない方は、より楽しめるかもしれません。 もちろん、そうゆうのが好きな方も十分楽しめる と思います。主観的な感想ですが。
城シリーズとは少し違ったお話です。 書物というものが存在しない世界。 残酷だけど切なく、最後には温かくなる。 続編を期待させるようなエンドでした。
北山さんの書くお話は、いい意味でライトノベルちっくだと思うのですが、 今回の本もそう。 有り得ない設定なのに、どんどん話に入り込んでいってしまう。 途中のグロテスクな描写が、後になってああ使われるのかと思ってびっくり。 続きが出たら、ぜひ読みたいです。