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赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

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赤朽葉家の伝説の商品レビュー

4.0 読ませる小説
超能力者の祖母、漫画家の母、現代っ子の自分という3代の女性のお話。
続きが気になって一気に読んでしまった。

おそらく意識的に、年号の記述を少なくしている。
1年2年の違いは問題ではなく、
それぞれの時代を描きたかったということだろうか。

祖母と母の話はいろいろとあり得ない設定になっているが、
現代の瞳子になって急に現実味を帯びている。
その理由は瞳子が平凡であるということに帰着しているのだが、
現代まで現実離れした伝説を読みたかったようにも思う。
4.0 力作だとおもいます。
ファミリーポートレイトもよいですが、こちらもなかなかの力作。さすが、著者が鳥取出身だけあり、
いろいろな資料を読み解いてかかれているのに好感がもてます。
個人的には、わたしのおとこより数段品がよく好きな作品ですが。
現代の場面(孫の瞳子の時代)になったあたりから、少しまのびした感じ、かったるいかんじは否めません。
まあ、かったるい時代に生きている子たちを描いているからしょうがないでしょうが。推理していく
過程に読み手まで一緒になって、どうなるんだろう?という高揚感が得られませんでした。
5.0 現代の最高のエンターテインメントクロニクル作品
「私の男」を読んで、直木賞受賞作家の桜庭一樹って、こんなもんか、、と思ったのもつかの間、「赤朽葉家の伝説」を読んで、桜庭一樹最高っ!となってしまうほどの作品。佐々木譲の「警官の血」が警官の男三代記なら、こちらは名家の女三代記。現代の最高のエンターテインメントクロニクル作品である。これで直木賞受賞であれば文句もあるまい。あ、ちがうのか。。

第1部、最後の神話の時代。戦争終結後の朝鮮特需による、高度経済成長期に差し掛かる時代の物語である。製鉄所を経営する名家、赤朽葉家の奥方であるタツに見出された万葉。主人公であり、語り手である瞳子の祖母である。赤朽葉家に嫁いだ万葉には「未来視」ができるという不思議な力があり、それゆえ千里眼の奥様と呼ばれることになる。彼女は、泪、毛鞠、鞄、孤独という4人の子供、そして夫の愛人の子供、百夜を育てながら、変わりゆく激動の時代、それでいて幻想的なその「最後の神話の時代」を歩んでいく。第2部、巨と虚の時代。高度経済成長期から、バブル景気の時代の物語である。山陰地方を牛耳るレディース「鋼鉄エンジェル」の頭を占める毛鞠。万葉の長女であり、語り手、瞳子の母である。毛鞠、中高生の時。総中流家庭の時代、巨の時代。彼女はレディースの総長として、カリスマ性を発揮する。高校卒業後、バブル景気にさしかかる時代、虚の時代。彼女は自伝的少女漫画「あいあん天使!」でデビュー、漫画家としてカリスマ性を発揮する。そして、「自由」となるはずだった語り手、瞳子を産むのである。第3部、殺人者。この部のタイトル、殺人者とは、万葉のことである。万葉が死の直前に、殺人をしたと告白。現代の時代を生きる、夢も目的もなく生きる瞳子は、その真相を求め始める。

全体の物語の背景を戦後昭和史〜平成史と重ね合わせ展開、しかし、物語そのものは現実離れした幻想的なものである。そのバランスがすばらしく、なんとも懐かしくおもしろい。なによりもおもしろいのは、過去からはじまり、現代まで戻ったときの、私と同世代である瞳子が主人公になったときの心情である。とても共感してしまうのである。

ようこそ、このどうしようもなく、不安に満ち、未来が見えず、混沌としたこの世界、そして美しいこの世界へ。
5.0 ミステリー? という批判はやめましょう。
なんだか最近、ミステリーというジャンルが広義なものになっているようで・・・
謎がほとんどないような小説なんかも、ミステリーとして出版されています。しかし「ミステリーじゃないからダメ!」という批判は、個人的にどうかと思います。この作品も推理作家協会賞や「このミス」2位をとってしまったために、「こんなのミステリーじゃない!」という批判を多々目にしました。でも、その批判ってどうよ?小説の価値って、やっぱり「面白さ」でしょ?どんなに素晴らしい文学性や謎解きがあっても、面白いと思えなければ、やっぱりそれは面白くない小説なわけで・・・
作者や出版社がミステリーだと言えば、それはミステリー作品になってしまうのです。早い話が境界線が曖昧なのです。そんな所をつつくよりも、もっと小説としての「面白さ」を評価しましょうよ。そうでしょ? そうじゃないのかなあ。 
4.0 それぞれの時代の女性の生き様
祖母、母、わたしと、3代に渡る女性が描かれている作品です。
「色」を使った表現を多用するなどし、その背景描写の美しさを感じます。
また、祖母や母の波乱万丈の一生に比べると、「わたし」の章では本人も言っている通り、「語るべき新しい物語はなにもない。」のですが、ここで、祖母、母の一生に潜む「謎」を解決するべく、「わたし」は奔走します。
その謎を解く「手がかり」は、膨大な祖母、母の一生の記述に含まれているごく小さなものであるため、最初読んでるときは「手がかり」とも思わず完全に見落としていました。
ミステリー小説として手ごたえがあるかどうかと言えば、「わたし」の章でミステリー色が出てくる程度のスケールなのですが、それよりも私は、この3人の女性が苦難の中、それぞれの時代を必死に生きている様子の描かれ方に非常に好感を持ちました。

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