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Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)

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Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)の商品レビュー

4.0 かつてのミステリーNo.1
本作品はかつて、どのミステリー作品の順位投票でも、必ずと言っていい程No.1に挙げられていた古典的名作である。
しかし、「エラリー・クイーン Perfect Guide」(2004年12月発行、ぶんか社)に掲載されているクイーン・ファンによるランキングでは、本作品はクイーン作品中、5位にランク・ダウンしている。
かつては意外性抜群であった本作品の犯人も、奇怪な事件が相次ぐ現代では、少しも意外に感じられなくなってしまった結果だろう。

犯人の意外性を除く本作品の欠点としては、まず動機が希薄であるということが挙げられる。
実際にレーンの口から真相が明らかにされても、犯人がなぜエミリーを殺さなければならなかったのか、憎悪によるものなのか、それともヨークの復讐のつもりだったのか、あるいは単に面白半分だったのかがよくわからない。
坂口安吾は「『蝶々殺人事件』について」という推理小説論(角川文庫『横溝正史読本』に所収)の中で、本作品は犯人の動機が解決篇に至るまでにきちっと描かれておらず、「十分にヒントを与えずに、犯人をお当てなさいでは、傑作の第一条件を失している。」と指摘しているが、同感である。

また、レーンは、中盤過ぎに犯人が寝室にマンドリンを持ちこんだのが凶器として使用するためだと決めつけるが、これはマンドリンが凶器という結論ありきによる作者のこじつけとしか思えないし、解決篇で犯人が爪先立ちで歩いた理由を説明していないのも明らかに片手落ちで、その推理に納得できない部分がある。
しかし、上記を除いてのレーンの論理的推理は、推理小説のお手本ともいうべき素晴らしい出来映えであり、ミステリー・ファンならやはり一度は目を通しておきたいものである。

なお本作品は、ヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』に挑戦した作品としても知られているが、結末が『僧正殺人事件』と全く同じなので、著者がそれだけヴァン・ダインを意識していたことがよくわかって面白い。

ちなみに本書は約50年前の訳文(1959年9月初版)で、古臭く字体も読みづらいので、これから読もうという人には別の版(早川か新潮)をお勧めする。
5.0 ファントム・レイディとこれ
 数多の推理小説ベスト○○という企画をやると、必ずといていいほどトップ10に入って来るのが、「Yの悲劇」。そして一位を争うとなると、これか「ファントム・レイディ(幻の女)」ということに決まっているようで、ここ数年は「ファントム・レイディ」のほうが若干分がいいようだ。

 しかし、シェイスクピア俳優のドルリー・レーンという稀代の名探偵を生み出したこと、世界一ともいえる恐ろしい場面を我々読者に経験させてくれるということ、E.クイーンのプロット設定の旨さ等々を考えると、総合的には、やはり、私は「Yの悲劇」に軍配を上げざるを得ない。

4.0 謎がいっぱい
本作が、なぜにそこまで評価されるのかが、最大のナゾ。
ストーリーも犯人の意外性も、「X」のほうがずっといいと思うけどなあ。
初めて読んだのは30年以上前だけど、「推理の論理性」についてはともかく、「犯人」はすぐわかった・・・っていうか、これだけ手がかりがあるんだから、この「犯人」以外考えられないし。
「エラリー・クイーン」より「ドルリー・レーン」のほうが、なんだか位が上みたいに思われるのは、ただ単に「・・・の謎」より「・・・の悲劇」ってほうが、字面的に、あるいは口に出してみたときに重みがあるから・・・くらいなことなんじゃないでしょうか。
人間の掴み方の深さも、クイーン中期の「災厄の町」のほうが上。
これからクイーンを読んでみようと思う若い方には、ストーリーの面白い「エジプト十字架の謎」や、最後の1行がかっこいい(笑)「Xの悲劇」をお勧めします。
「X」を読んで、探偵としてのドルリー・レーンの成り立ちを知ってから、「Y」、「Z」(あまり面白くないけど、最終作へのつなぎ役)、「最後の悲劇」(クイーンはこれをやりたかったんだと思いますよ。X・Y・Zを伏線にして、究極の「○○な○○」を作り出すっていう気の長い構想)を読むのがいいと思います。


2.0 駄作
ミステリ史上最高傑作のひとつとして名高い本作ですが、
おそらくギャグではないかと思われます。

論理の極致などと謳っておきながら名探偵の推理は突っ込みどころが多く
そしてそれをこれまたいかにもといった口調で語ってくるので
いちいち馬鹿みたいに腰を抜かしてるワトソン役と合わせて
とても滑稽です。

仮に論理的整合性が完璧であったとしても、
そもそもこの作品は読み物として面白くないです。
ストーリー全体を通して陰鬱とした雰囲気が漂っている
みたいな効果を狙ったんだろうけど、
ただひたすら退屈なだけ。
ページをめくる気にならない。
事件や登場人物に魅力が無いから、真犯人やトリックにも興味が湧かない。
読み進めるのが苦痛でした。


3.0 この犯人って意外ですか?
名作の誉れ高いけれど、この作品の犯人って全然意外じゃないような気が・・・。手がかりをきちんと追っていけば、その人が犯人としかいいようがないように思うんですが・・・。Xの悲劇の方が作品としては上なんではないかと・・・。クイーンの醍醐味でもあるロジックも、なんかイマイチのような気が・・・。だって他の作品には手袋とか、ヨードチンキの瓶とか印象的な小道具があるのに、この作品なんてホコリの跡とかだし・・・。何より、この作品の最大の見せ場であるブラントインスタルメントは、はっきりいって日本人には意味わかんないでしょ。

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