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レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)

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レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)の商品レビュー

5.0 超傑作だが、「アンフェア」という意見はないのか?
本書は『Xの悲劇』『Y〜』『Z〜』と本書からなる「ドルリー・レーン四部作」の最終作で、レーンが元シェイクスピア俳優であることから、シェイクスピア四大悲劇(『ハムレット』『マクベス』『リア王』『オセロー』)にちなんで四部作とされたものと思われる。

『X』『Y』はいずれも作者の最高傑作と名高い作品で、本書はこれら「四部作」を締めくくるにふさわしく、その論理性・ 驚愕度ともに実に見事で、またもっともドラマチックな作品でもある。
ただし、本書だけを読んでも驚愕度やドラマ性には欠ける。本書はあくまでも「四部作」を1冊の本とした場合の最終章にあたるので、「四部作」すべてを順番に読むべきである。(『Z』だけは凡作だが、本書のカギを握るペイシェンスが初登場するので、辛抱(ペイシェンス)して読んだほうがいいだろう)

なお、本書について「アンフェア」という意見が聞かれないのは少し不思議である。
クリスティーの『アクロイド殺し』をアンフェアと主張する人が未だにいるが、多くはその理由を「読者から見て当然信頼すべき人物を真犯人とする設定にしたことが、読者に対する裏切り行為、すなわちアンフェアである」というものである。
しかし、その主張はそのまま本書にもあてはまる。
もしも『アクロイド』をアンフェアと主張するならば、上記に該当する本書や、『アクロイド』とまったく同じプロットの他の著者の作品も同様にアンフェアと主張すべきである。

なお、私自身は本書も『アクロイド』もアンフェアとは少しも思わない。登場人物すべてを疑うのは、推理小説読者の義務と考えるからである。
5.0 これを書くために・・・・・
 X,Y,Zと続いてきて、そして、最後の最後に大どんでん返し。他の文庫では、「最後の悲劇」とも呼ばれているドルリー・レーンもの悲劇4部作の最終章。「Yの悲劇」が、エラリー・クイーンの最高傑作とも言われているが、私は、X、Y、Zすべてこの最終章を導くための伏線であったと考える。最後の1〜2ページにドルリー・レーンの思いがすべてこもっている、ペイシェンス・サムの思いがすべてこもっている、そして読者を引きつけてやまないミステリー作家エラリー・クイーンに対する絶賛の拍手を送るのだ。
5.0 涙が流れます
ほんとうにお別れと自覚させられる小説。
シェークスピアを愛するレーンにふさわしい最後。

こんな別れ方もあるの? 悲しすぎる。

衝撃的だからこそ ドルリー・レーンは忘れられない方です。

さようなら レーン。
4.0 まさしくレーン最後の事件
悲劇4部作の悼尾を飾る作。私は中学生の時、4部作と知らず本作を最初に読んだ。その時の邦題は「最後の悲劇」(40年くらい前の話です)。その頃は「***」が犯人というパターンを知らなかったので、結末には本当に驚いた。本作により、元シェークスピア俳優レーンを4部作の探偵役に選んだ理由が分かる。また、何故作風を変えてまで、探偵役クィーンを変えてまで4部作を構想したかが分かる。全てはこの1作を書くためだったのだ。

この作品ではサム警部の娘ペイシェンスが実質的な探偵役を努める。随分謹厳実直な名前を付けるなと感じた(ペイシェンス=忍耐)が、これもサム警部の人柄を改めて表すためかなぁと思った。このペイシェンスの明るさと頭脳明晰さが作品を随分救っていると思う。いずれにせよ、個人的には中学校時代の思い出深い1作である。
2.0 ウンザリ
後味の悪いエンディングです。

レーンは前作よりも更に老い、知能まで衰えたのではないかと疑うほどの体たらくです。前作までのレーンであればあのようなエンディングは回避しえたはずです。何よりも読み手の私が"その"行動に理不尽さを感じるほどです。

クイーンにとっては「最初に結末ありき」といった感じでスタートした4部作だったのでしょうが、本作はあまりにも稚拙です。7色の髭の男の登場という奇抜なスタートの割に話は盛り上がらず(盛り上げる気も無かったのかもしれませんが)、やっと殺人が起こったと思ったらアレですし。

何よりも拙いのが殺人犯を指し示すたった一つの証拠について。クイーンはこのトリックとこの証拠があれば、読者に強いインパクトを与えられると思って書いたのでしょう。事実、これを読んだ多くの人が衝撃を受けたと思われます。しかし、それによって作品としての出来は落ちたのではないでしょうか。アイデアだけで作品を作ってしまったのかなぁ。

散々悪口を書きましたが、私だって読んだときのダメージはかなり大きかったんですよ。読み返してダメージ受ければ受けるほど、ドルリー・レーンを愛して止まない自分に気が付いて更に鬱になりますけど。

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