何も知らないで読むべき作品
クィーンの国名シリーズの中でも、「シャム双子」と共に特異な位置をしめる異色作だと思います。全てがあべこべになった部屋での殺人という、クィーンらしくない謎とその真相を、手をたたいて喜ぶか、ギャグと受け止めて笑い飛ばすか、怒って本を投げ捨てるか、読者の受け止め方は様々でしょう。僕なんかはここまでやったクィーンに心から賞賛を送りたい一人です。ちなみに作者の自薦ベストにも選ばれているはず。もう一つだけ言いたいことが・・・。この作品「○○もの」と気軽に紹介されていることが多いのですが、それ知らせちゃだめですよ!それ自体がトリックを構成する1要素なのに(こんな風に書くこと自体まずいかなと思いますが)。これから読んでみようと思う人は、解説や紹介文などは先に読まないことです。
トリックに凝りすぎかなぁ。
誰も出入りしなかったはずの部屋で殺された男。部屋は密室。そして、踏み込んでみると、部屋の中はすべて「あべこべ」にされていた・・・
これも以後使い古されることになるトリックだが、致し方あるまい。あべこべになっていた理由は、エラリーが気づくのとどっこいどっこいの段階で気づく人もいるかもしれない。密室の作り方は図解まで入っているのだが、イマイチ凝りすぎていて、本当に成功するのかなと思った。