こうまで主人公の影が薄い小説も久しぶりに読んだなー。
初版が1961年。43年前。翻訳者は当時60歳。43年前の60歳かぁ...と思えば、へんてこな文章も理解できる...かなぁ。解説(翻訳者とは別人)にあるように「忠実な訳」過ぎて英文の持つリズムが分断されてしまっているように見える。 『Xの悲劇』では主人公がドルリイ・レーンで無くてはならない程に彼の個性が発揮されていたけど、「ニッポン樫鳥の謎」では主人公がエラリー・クイーンである必要は無いように感じる。こうまで主人公の影が薄い小説も久しぶりに読んだなー。
謎解きは、さすがに最後はすごかったけど、所々「マジ?そんな説明?それってこじつけ?」と思える箇所はあった。中盤まで謎のひとつとされていた行動が「ただの偶然」で片づけられたり。結果的な(=必然性のある)偶然なら仕方ないけど、必然性のない偶然は、存在が不要。しかもその場面は話の筋には必要のない伏線なので、余計に気になる。
「国名シリーズ」の最後の作品らしいけど、どうだかなー、この作品を持って「国名シリーズ」を評価するのは危険かなー。って、このシリーズの翻訳は全てこのおっさんなんだよなー。
こういう人殺しも可能か?
「国名シリーズ」の掉尾を飾る作品。とはいえ、元々"Japanese Fan Mistery"だったタイトルを、当時反日感情のあった作者が"The Door Between"としたため、正確にはタイトルに国名は入っていない。折角この国名シリーズに日本が選ばれたというのに運の悪いことだ。日本庭園で、日本滞在経験もある売れっ子作家が殺される。凶器は見つからない。錯綜する人間関係。エラリーが導き出した答えは恐るべきものだった・・・
随所に日本ネタが出てくるものの、日本人からすればステレオタイプだったり不快だったりする表現もある。まあ時代を考えて、仕方ないとしておこう。