ガラス吹きの猫はボンプスタブル
ピーター卿の登場する長編第2作目。
前作の事件を解決したピーター卿は旅行に出かけます、しかしパリで彼が眼にしたのは兄のジェラルドが殺人容疑で逮捕されたというニュースでした。ピーターはその容疑を晴らすために捜査を開始するというお話です。本作品ではトリック云々よりも、貴族院の議員を裁判するために右往左往している様子がコミカルに描かれたり冒険色がかなり強くなったりしていて、頭を使って考えるよりも読んでいて楽しめるような作品にしようという意図が感じ取れます。
その分事件自体には物足りなさを感じないわけではありませんが、レギュラーの登場人物が色々な表情を見せているので彼らに対して共感を深めるのに役立つでしょう。
ラストの場面もこの作品らしくまとまっていて、私は気に入っています。
ピーター卿の魅力満開!
ピーター・ウィムジイ卿の第1長編、「誰の死体?」のプロットにちょっと気味悪さを感じた人も、この第2長編「Clouds Of Witness」を読めば、セイヤーズの語り口のとりこになるかもしれない。「誰の死体?」とは全然違ったタイプの物語となっている。何しろ今回は、事件の当事者が、ピーター卿の頑固な実の兄ジェラルド公爵、その妹で独立心旺盛な立派な女性レディ・メアリ、彼女の婚約者という「身内」なのだから!
ピーター卿は、パーカー警部と忠実な従僕バンターと共に、殺人の告発を受けた兄ジェラルドの無実を証明すべく、奔走する。自らの身に及ぶ危険を顧みず、事件の真相究明に全力を尽くす、限りなく快活なピーター卿を読めば、きっと彼の大ファンになってしまうだろう。 ピーター卿とバンターのどこか心温まるやりとりや、パーカーとレディ・メアリの心の交流などを含め、推理小説としてだけでなく、1つの恋愛がらみの物語として、1度手に取ったら手放せないほどおもしろい。