サム先生の失恋
ニュー・イングランドの田舎町ノースモントの老医師サム・ホーソーンが、数々の不可能犯罪を解決した若かりし日々を回想する、シリーズ物の短編集。第2集の本書には、1927年から1930年までに起きた、12の事件が載せられている。病院の開設、郵便局の開設、1929年の株大暴落(世界大恐慌)、レンズ保安官の結婚…などなど盛りだくさんの本書だが、最も印象的なのは、サム先生がノースモントに来て初めて恋をし、フラれてしまった顛末。悪いが失恋して良かったと思う-相手の女性は全く面白味のない、わからずやだからだ。”探偵ごっこ”で迷惑をかけても、それを夫婦間の笑い話として末永く語り合えるような伴侶に、サム先生には恵まれてほしいと思う。看護婦のエイプリルなど悪くないと思うのだが、どうなのだろう。
ところで、第1集にも第2集にも、付録としてシリーズ以外の作品が載せられているが、特別おもしろくもないし、何よりもシリーズの雰囲気を壊していて興ざめである。それよりもサム先生の話を1話でも多く載せてほしい。
ノースモントよいとこ一度はおいで
サム・ホーソーン先生の第二短編集は、1927年の秋から1930年の7月までにおこった12の事件が語られます。シリーズをはじめて読んで、とても楽しめた第一短編集に比べても、遜色のないものばかり。よくこれだけの質の高さを維持できるものだと感心させられます。コネチカット州の田舎町ノースモントとその周辺では、あいもかわらず犯罪が続きます。それも、どれも不可能犯罪ばっかり。こんな町なら、ミステリのファンに限らずとも、一度は住んでみたいと思うのでは?町でおこった不思議な事件を、素人探偵気取りで探ってまわる。なかなかいいですね、スリルに満ちた毎日が送れそうで。被害者にされるのはイヤだけど。
次の事件簿がまとめられるのが、とても楽しみです。