本格派ミステリの新境地を開く、驚天動地、ぎりぎりの大トリックの素晴らしい傑作
いやはや、世の中には、まだまだ、凄いミステリ小説があるものだ。この作品が書かれたのは、1977年、もう現代ともいえるこの時点で、これほどのトリックが編み出せたという現実を目のあたりにすると、トリックがほとんど出尽くしたともいわれる本格派ミステリの将来にも、まだまだ、その可能性に期待を抱かせるものがある。 アメリカ合衆国大統領の任期終盤を迎え、再選を目指す大統領の側近の中に潜む、反対陣営に寝返った裏切り者。そして、その裏切り者の抹殺を図る大統領擁護派の「われわれ」。大統領を取り巻く人々の中で、裏切り者として抹殺されようとしているのは誰なのか?その裏切り者の抹殺を図ろうとしている「われわれ」とは誰なのか?この作品は、そんなサスペンスに満ち溢れた卓越したサスペンス小説であるとともに、驚天動地の「ぎりぎり」の本格派推理小説でもあり、また、アメリカ合衆国大統領という権力者の苦悩、責任、重圧、孤独が見事に描かれた人間ドラマでもあり、文句なしに面白い。
特に、結末の緊迫感溢れるサスペンスの中で描かれる大どんでん返しのトリックは、本格派ミステリとしても傑出している。このトリックについては、本書の帯紙で、ミステリ作家の森博嗣氏が、「今でも最先端の、ぎりぎりのトリック」として推薦しているのだが、人によっては、その「ぎりぎり」を超えていると思う人もいるだろう。しかし、ここで描かれた大胆なトリックは、決して荒唐無稽なものではなく、現実にもあり得ることであり、私は、「ぎりぎりセーフ」だと思っている。
この作品は、1992年の日本語版の初版後、現時点で、第4版までしかいっていないところをみると、日本では、まだ読み込まれておらず、一般にはそれほど知られていない作品なのだろうが、もっと読まれ、評価されて然るべき、素晴らしい傑作だと思う。
やられました。
レビューを書くのに困ってしまう作品ですね。
賛否両論がくっきりわかれる結末だと思います。
この結末はぎりぎり「アリ」なんでしょうが、
個人的には好きにはなれません。
でも決してつまらないわけではありませんし、
こういうオチがあるというのがわかっただけでも
元は取れたと思っています。
ここまで書いていて言うのもアレですが、こういったレビューを読まずに読んだ方が楽しめるでしょう。
事前情報を仕入れてから読むと(自分もそうだったんですが)、
どういう仕掛けがあるんだろう、と若干ひねくれて
読んでしまいますから。まぁ自分の場合は、ひねくれながら
読んでいったのに最後はやられてしまいましたが(^ ^;)
ええええええーーーーーっ!?
この本の場合、一度読んでしまうと、人に先入観を与えずに紹介するなんて器用なことができなくなります。
なので、以下はある程度の先入観は覚悟している人のみ、お読みください。(でも、ネタバラシではありませんのでご安心を。)*******************************
僕は結末を読んで、実際に叫んでしまいましたよ。
「うえええーーーー!? なんじゃそりゃあ~~!!」
って。
こんな騙し方は、ほんとに、クリ○ティの『ア○ロ○ド殺害事件』よりもっと反則の瀬戸際です。
僕はハードな本格ファンではなく、面白ければいいので、べつにアンフェアだとか騒ぎはしません。充分にアリです。
でも人によっては、終盤の数ページで本を壁に投げつけたくなるかも。
あなたはどう反応するかな?