これはこれで良いのかも
出題者の若竹七海さんが若い頃に書店のアルバイトをしていた時に遭遇した事件を推理小説作家が回答編として書いた短編集。
(1)なぜ本屋で毎週50円玉を千円札に両替するのか?
(2)その50円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか?
聞いてしまったら頭を悩ませてしまうほかないこの2つの謎に挑戦してみませんか? それぞれの回答は面白いんやけど、実質解決にはなっていないところが……良い……かも。アマチュアの作品も入っているので、読みやすいところと読みにくいところがあって、質としてはどうかと思うけど、この試み自体は好きやね。自分でも必死に謎について考えてしまったもん。とは言え、「若竹さんが好きでそういう手段で会いに来てた」としか考えつかなくて、冒頭の問題文の中でこの可能性が否定されてて、「うーん、ウチは推理のセンスないわ」と思ってしまいました。
小説としては北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』を読んでいただいた方が良いのですが、この競作集はこれはこれで味があって、良いんじゃないでしょうか。
あなたの考える結末は。
定期的に店を訪れて50円玉20枚を千円札に両替えを頼む、という共通の問題についての解答編を集めたアンソロジーです。これは、問題編を書いた若竹七海氏が実際に体験したことなのだそうで、密室など、テーマが共通の短編集は読んだことがありますが、謎そのものが共通、というのは初めてでした。私は有栖川有栖氏の作品が読みたくて買ったのですが、一般公募の中から選ばれた作品ものっていて、なかなか楽しめました。最優秀賞に選ばれた高橋謙一氏の作品は、50円玉の謎解きに別に事件もプラスしてあってプロの作家の作品よりもおもしろかったです。なぜ毎週同じ店で50円玉を千円札に両替えするのか、その50円玉はなぜ毎週彼の手元にたまるのか(おつりでもらう50円玉は必ず1枚だからです)、という謎に対して、自分ならどういう解答を作るだろう。ミステリーが好きな人、そんなことを考えながら読むのも楽しいと思います。