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孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

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孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)の商品レビュー

4.0 江神二郎の鋭敏な才知が謎を打ち砕く
英都大学推理研に加入した紅一点マリアの誘いで南の島でパズル遊戯に耽る事になった江神部
長とアリス。そして型通りの展開に為るわけでして。本書は題名にもパズルと冠してある様に
内容の事象にも、孤島の盤上にピースを埋め込むような雰囲気があって愉しい。
島中にてんでバラバラに散る25体のモアイとゆう着想だけでユニークだが、それに挑戦する三
人の姿(特にアリスとマリア)にコチラの気分も弾むなあ。いかにも本格って雰囲気・構想も
魅力だが、そこに付随してくる瑞々しい精神は特筆ものですネ。

そして圧巻であり納得のラストを演出する江神二郎。幕間なく進み完結したと思われた悲劇と
いう虚像を俊敏な弁別によってぶっ壊し(!)、そして華麗に再構成しパズルの如く完成へ導い
てくれる。江神さん....カッコよすぎます。。あなたも贅沢な頭脳労働に耽ってみませんか?
4.0 パズル性を強調するタイトルだが、読み物としても面白い。
英都大学推理小説研究会に新しく加わったマリアの提案で、夏休みにバカンスをかねて祖父が残した時価五億円相当のダイヤを探し当てるため、彼女の伯父の別荘のある孤島で過ごすことになったアリス、江神、マリアの一行。気軽に孤島でのバカンスを楽しみながら宝探しを続けていると、ある日、滞在客の二人がライフルで殺害される。犯人は滞在客たちの残りの11人の中にいる! しかし、無線機が壊され連絡船も来ないという閉鎖状況の中、さらに新たな殺人が...。

いわゆる新本格派作家たち、――― 綾辻行人、法月倫太郎、歌野晶午、我孫子武丸などの作品は何点かは目を通していたのだが、有栖川有栖だけはとくに本書と前作『月光ゲーム』の「ゲーム」だとか「パズル」だとか、推理小説のゲーム性・パズル性を強調するタイトルのせいで、物語としての面白みに欠ける作品ではないかと先入観を持っていて、なかなか手をつけなかった。
しかし、気まぐれに本書の冒頭を本屋で立ち読みしたところ、望月とマリアの『ナイン・テイラーズ』を巡っての会話のあたりで「お、これはなかなか面白そうじゃない!」と思って購入。読了後の感想は「ちょっと後味が悪いが、なかなか良かった。」

謎解きの論理はなかなかのもので、読み物としても上記のいわゆる新本格派作家たちの中で、一番文章がうまいと思った。読後の後味の悪さというかほろ苦さは、物語の続きが次作『双頭の悪魔』に持ち越されることを考えるとやむをえないだろう。
作者は妙に凝り固まったタイトルのせいで読者の幅を狭めてしまって損をしてるんじゃないかな。
2.0 ミステリとしては星1
有栖川さんの作品の中で評判が良いので読んでみました。

私は始めから犯人はこの人であろうと確信したが、おそらくすごい展開展開で
替わっていくのだろうって楽しみに読んでいたのに最後にその人が犯人で
「おい、そのまんまじゃん」って突っ込んでしまいましたよ。

2〜300冊ミステリ読んでいるけど、最初から犯人を確信させてしまった
作品は初めてですよ。アリスさん・・・
それなのに読者への挑戦なんて出てくるし・・・
反対の意味で私には衝撃的でした。

でも、ミステリによっては、結末が納得できない作品もあるけど、
この作品は一本芯が通っていて「そうだろう、そうだろう」って感じでした。
3.0 ほんの少し物足りなかった…かな
学生アリスシリーズ第二弾。
一番最初に読んだのが第三弾の「双頭の悪魔」だったので
「双頭の悪魔」→「月光ゲーム」→「孤島パズル」
と3番目に読むことになってしまったけど。
(あ、この2作品はまだレビュー書いてないわ^^;)

例によってクローズドサークルもの。
密室やらダイイングメッセージも出てくる定番。

面白かったのよ。
うん、確かに面白かった。
一気に読めたし。

でも、何かが物足りないみたいな。
そんな感覚。
犯人が誰か途中で気付いてしまったからかもしんないけど
モアイ像の謎がわかったからかもしんないけど

や、もちろん、トリックがすべて判明したわけではなくて
犯人はたぶんこの人だろうなぁ…とか
このモアイ像の向きはこういう意味なんだろうなぁ…って
その程度だったんだけどねw

うん、やっぱり何かがちょびっとだけ物足りなかったって感じ。


でも、やっぱアリスシリーズは好きだ。
まだ学生アリスシリーズしか読んでいないから
他も読んでみたいな。
5.0 個人的ベスト
個人的に女王国も含めた江神シリーズ中の白眉だと思うのが本書だ。

氏らしく、論理の糸がたぐられていく興奮はシリーズ随一ではないだろうか。

結末まで読めば、あらゆるジーンは必要不可欠であったことがわかる。


とりわけ中原中也の詩を引用しつつ夜の海に漕ぎだすシーンは詩とのシンクロが非常に印象的な場面だが、少し恋愛要素が強すぎ陳腐な気もしたものだ。

だが読了してあのシーンさえロジックを組み立てる1つのブロックだったことに気付かされる。
心温まるシーンの裏には、冷たい論理の罠が張り巡らされている。

よく本格ミステリは人が描けていないと言われるが、上質なミステリにおいては人の感情の機微や人間性さえパズルの一つのピースに過ぎないのがよく分かる。

パズルはモアイだけではない。人と彼らの性格や発言までもが、この孤島のパズルだ。

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