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青空の卵 (創元推理文庫)

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青空の卵 (創元推理文庫)の商品レビュー

3.0 人は何故小説を書くのか?
 あとがきで、職場の同僚、友人たち、そして、パートナーへと感謝の言葉をのべていましたが、ここまで恵まれていて、何故、坂木司さんは小説を書くのでしょう?わたしにはそれが不思議でしかたがありませんでした。また覆面作家ということもあって情報量が少ないのですが、わたしの推測だと、坂木さんは帰国子女ではないでしょうか?日本と違って、外国は自己主張をしてコミュニュケーションをとって理解しあっていくものです。その外国で培われた性格が「鳥井」であり、日本に帰国した後は、日本という雰囲気や空気を大事にする国柄は「鳥井」だった坂木さんに、「坂木」という人畜無害な性格を演じたのではないのでしょうか?

 それが苦しいから、小説を書いたのでは?だから、ペンネームも坂木司しか思い浮かばなかったというのは正直な気持ちだと思います。作中からも、うかがえる作者の繊細さや喜怒哀楽は、どこかへ吐き出してしまわないと、苦しかったと思います。わたしは趣味でショートストーリーなどを書いていましたが、無から有を生み出すのは大変な労力がいるものです。書いた事がない人は1度書くことをおすすめします。そうすれば、傲慢な読者ではいられなくなるはずです。また、蛇足ですが、何かを表現するというのは、決して幸福な人間のする事ではありません。それでも書かずにいられないのが、小説なのです。
1.0 児童向け
二話目まで読んで、放棄しました。
あまりにもリアリティに欠け、自己完結的なお話でした。
これが児童向けのものだったら丁度いいかもしれません。
「なかなおりしたよ」「よかったよかった」「なんていいゆうじょうなんだろう」本当にこんな感じ。
残念です。
1.0 2年前に期待して買いました
が、失望しました。人間はそんなに薄っぺらなのか?引きこもり探偵と相棒に限らず、登場人物全てに感情移入出来ません。なんというか、全部想像で書きました感に溢れていて、リアリティが感じられません。
3.0 男同士の百合
BL色があるという感想をよく聞きますが、BLと言うよりむしろ「男同士で演じている百合」という印象を受けました。
BLって多かれ少なかれ、二人の間に競争関係なり、ライバル心なり、相手に無いものを補いあって強くなっていく関係があって、ある種パワーゲーム的な恋愛要素を含むものが多いと思うのですが(と言っても、ここ数年でずいぶんBL作品の多様化が進んで、こういった言葉でくくりきれない作品が多いのも事実ではあります)、この作品の坂木と鳥居にはそれがない。

もちろん坂木も鳥居もお互いを認めてはいます。しかしその関係は、競い合う友・ライバルというよりはお互いに寄り添って生きていく姿であり、これが百合を連想させてしまう。
ところどころ伝統的な女性性に対する嫌悪感のようなものが伺えますが、だからといって男性同士の競争的な社会にあこがれるわけでもない。
その結果が、男同士でも競い合わずに寄り添う、坂木と鳥居の関係なのだろうと考えています。

ミステリとしては、そこそこよくできていると思います。ただ、周りの人々の物わかりが良すぎる点が残念。あまりにも小綺麗にまとまり過ぎている点に違和感を覚えました。
5.0 すごく感動しました
 創元推理文庫というのは、凄い才能の持ち主を発掘してくるから侮れません。
 北村薫さん、若竹七海さん、山口雅也さん、米澤穂信さん、加納朋子さん、倉知淳さん、笠井潔さん、そしてこの坂木司さん。
 どれも素晴らしいミステリ書きさんで、この創元推理文庫で知った方ばかりです。そして、この方達の作品は(笠井さんは例外として)、日常の謎を短篇連作として発表してゆき、シリーズを通して主人公達が成長していくという共通手法を取られているのですが、そのどれもがよい作品で個人的にはとてもいいなあと思います。
 この「青空の卵」もその系譜を継ぐシリーズの第一集ということで、このあとにも「仔羊の巣」「動物園の鳥」まで三作がリリースされていますが、先が楽しみです。さて、本作の特徴的なところは主人公二人のキャラクター造詣。語り手である坂木司(著者と同名です)は保険会社の外交員、そしてホームズ役の鳥井真一はひきこもりのプログラマーという設定です。ひきこもりというのがミソで、鳥井は母親の不在といじめによって高校から完全に引きこもりとなり普段は自発的に家を一歩も出ることがありませんし、坂木以外の人物との接触は極力避けようとしています。彼にとっては坂木が絶対の世界基準であり、坂木も鳥井との関係において自分をたもっている節があり、お互いがお互いに依存しているある意味アンバランスきわまりない関係を築いています。坂木は、彼のもとに毎日訪れ買い物へ連れ出し(家から数百メートルが鳥井のふだんの移動限界範囲)、夜には食事をとりに通います。そうしなければ、坂木はときにストレスで自我の崩壊の危機にさらされるかも知れないからです。
 こういう不安定な二人ですが、坂木は露悪的ですが基本的にはいい人でありたいと願う人間であり、それが故におせっかいに色々な事件に首をつっこみ、結果としてそれを鳥井が解決するという構造で物語は進んで行きます。そんな二人に関わる事件だからそうなるのか、そういう人物だから彼らと関わることになるのか彼のもとにもたらされる事件は全て、対人関係の問題がその事件の根底にあり、それがきれいに解決されるとき新たな人間関係が関係者のあいだに結ばれるようになります。
 単純にすぎる言い方かもしれませんが、これは「癒し」を真正面から取り上げたミステリかも知れません。
 人によっては、坂木の露悪的な部分が偽善者っぽいものとして映って嫌になるかも知れませんが、個人的にはかなり面白く読ませていただきました。イジメやひきこもりといった扱いにくい問題を真っ正面からとらえて、それを探偵属性の主人公に(過去の秘めたトラウマなどというパターンでなく)まっすぐに組み込んだこの作品は、かなり評価されてしかるべき作品かなと思います。最大評価でお薦めします。

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