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動物園の鳥 (創元推理文庫)

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動物園の鳥 (創元推理文庫)の商品レビュー

5.0 甘いけど、素直に癒された作品です
 坂木司の「ひきこもり探偵」シリーズ三部作の完結編です。
 すごく気にいっただけに、読むのがなんだか勿体ないと我慢してみましたが、どうしても最後の結末がどうなるのか読みたくて読んでしまいました。このシリーズ、主人公の坂木とひきこもりの鳥井との少し共依存めいた関係がすごく特徴的で印象的でした。その関係は、物語が進み巻が進むにつれて、事件を通して少しずつ知人の和が広がってくにつれて薄れていきはしました。日常の謎を二人によって解決してもらった人物たちが、友達となって彼らのそばの輪を広げていったからです。
 二人だけの閉じた関係が終わりに向かっている。読む人にとっては、ある意味それは心温まる、回復の物語でもあったわけです。が、二人にとっては、その関係の終わり方によっては、取り返しのつかない事になってしまうか知れない危険をもはらんでおり、自分はそのあたりにドキドキしながら物語を読み継いでおりました。特に、この最終巻では鳥井のひきこもりの原因になった人物までが登場するとあって、本当にドキドキしました。
 結論はまぁ、心温まるこのシリーズのことですから皆さんの予想の通りのわけですが、すごく心に傷を負った二人だっただけにどうなることかと最後の最後までどきどきしましたし、最後のシーンには思わず坂木のように滂沱の涙を流しそうになりました。
 さて、この最終巻、ファンにとっては嬉しいことに、作中で鳥井が取り寄せていたお菓子のお取り寄せ先や、鳥井が作っていた料理のレシピが巻末のおまけで載せられています。これだけサービス精神でこられた以上、読み手のこちらもいくつかは実際に作ってみたり、お取り寄せしてみて、誰かと自分も楽しい食卓の記憶を作ってみたいななんて思いました。
 三部作、すべてお勧めです。
3.0 もう一冊だけ騙されてみるか
3部作の完結編。
なんというか、一気に3冊読んでしまいました。
巻が進むごとに、一編の長さが長くなる印象。最後は長編だし。

話自体は悪くないんだけど、ほかのレビュアの方々おっしゃっている様に、ステレオタイプの登場人物にうんざりです。
話自体もこの手の日常ミステリーは意外と書き手が少ないので、及第点なだけで、北村薫や加納朋子と比較すると(比べることに無理があるが)数段落ちる。

一気に読んだと言うのもなんというかキャラクター描写や台詞回しがどうにも恥ずかしくて、急いで読んじゃった、というのが正しい。
小学生のころ鳥井みたいなこと考えてたなと思い出すと、ますます恥ずかしい。

とはいえ、人が死なないミステリで、ある程度読ませる作家、作品って本当に少ないので、もう一冊、「切れない糸」あたりだけお付き合いしようかな。
それもだめなら、僕に合わないのでしょう。
1.0 結局・・・
1巻読んでがっかりしたので読むのやめようと思ったんですけど、書店で絶賛されてたしこれから良くなるんだろうと思って最終巻まで読み進めたのですが・・・騙されました。

みんなアッサリ反省して改心して仲直りして、感情移入できる登場人物が一人もいないし、トリックもそんなアホなって突っ込みたくなるくらい強引でなんだか穴だらけ。
すべてにリアリティを求めるのもどうかと思うけど、これはありえなさ過ぎると思います。
主人公二人もなんだか好きになれない。
こんな27歳(口の利き方を知らない、すぐ泣く、綺麗ごとのオンパレード)って嫌だけどなぁ。
3.0 人間関係の終わり
 2004年に出た単行本の文庫化。
 三部作の完結編。これまでの2作とは違い、長編になっている。
 ミステリとしてのトリックや謎解きは放棄されている。そうではなく、主人公・鳥井の過去を明らかにし、また前二作で溜まった人間関係の昇華を目的に書かれた本であった。
 感傷的で涙もろく善良すぎる登場人物たちにうんざりさせられるのは前作と同じ。罪を犯した人間の改心の早さと、彼に与えられる赦しには、もう飽き飽きといったところだろうか。
 ただ、だからといって読んでつまらない本ではない。本書に描かれているのは人間心理の一面の真実を突いていると思う。それゆえ心を動かされ、ある種の感慨を得た。要するに、鳥井や坂木のような人間たちがいても良いと思うわけだ。同様に、本書のような作品の存在も認められるべきと思う。
5.0 完結。あったかいお話です。
ひきこもり探偵シリーズ初の長編で、完結編です。
鳥井と坂木は栄三郎の友人であり、動物園でボランティアをしている安次朗に、動物園に住み着いている野良猫を虐待している犯人を捕まえてほしい、という依頼を受ける。
栄三郎のために動物園まで足を運ぶ二人だが、坂木はそこで、かつて鳥井をいじめた張本人である谷越と再会してしまう……

相変わらず善意の塊のようなお話です。
少々説教くさくもあり、それが嫌だという人はいるだろうけれど、私は好き。
どこまでいっても最後にはわかりあうことの出来るあったかな人間関係と、鳥井の作るものすごくおいしそうなごはんのシーンに癒されました。
また今回は鳥井だけでなく、坂木の持つ心の傷やその他の脇役の背景なども出てきて面白いです。

坂木と鳥井の関係にも、とりあえず決着がつきました。
今までの伏線から、一体どうなってしまうんだろうとはらはらしていたけれど、こちらもあったかく落ち着いてよかったです。
二人にはやっぱり、ずっと一緒にいてほしいなあ。

ただ鳥井の幼児逆行シーンが好きな私としては、ちょっとだけ物足りなくもありました。
不安定でかわいい鳥井がもっと見たかったなあ。

最後のおまけにこれまで出てきた地方銘菓と鳥井の料理のレシピが付いています。
これはちょっとうれしかった。

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