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天使が開けた密室 (創元推理文庫)

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天使が開けた密室 (創元推理文庫)の商品レビュー

4.0 おシャレなタイトルの佳作
推理小説を手にすることはあまりないのだが、
可愛らしいカバー絵に釣られて購入。
もともとライト・ノベルとして創作された作品だけあってか、
気負わず楽しく読めた。
『青春(学園)』、『推理』、『ラブ・コメ(但し発展途上)』の
三要素を詰め込んだせいか、『推理』の要素を重んじる向きには
ストーリーが冗長に感じられるのかも知れない。
『青春』と『ラブ・コメ』の匙加減は悪くないと思う。
『推理』に関しては、やや物足りない部分もあるが、
どうか読了後にもう一度、本書のタイトルを読み直して頂きたい。
巻末の解説でも指摘されているが、タイトルに込められた
ダブル・ミーニングの巧みさに舌を巻くことでしょう。
現状ではあと2編、続編があるようなので、そちらも是非読んでみたい。
そう思わせる実力を持った作品であることは確かである。
本格的ミステリを読みたいのだが、何を読んだらいいのか分からない
ー そんな私のようなミステリ初心者には文句無しにお勧めです。
2.0 もう少し工夫を
 2001年に富士見ミステリー文庫から出た『激アルバイター・美波の事件簿 天使が開けた密室』の復刊。短篇「たった、二十九分の誘拐」が加えられている。
 ライトノベルとミステリを融合させた富士見ミステリー文庫から出たこともあり、非常にソレっぽい本になっている。登場人物が定型的すぎる点、筋立て・雰囲気・エピソードのバランスが悪い点などは、読んでいて気になった。
 トリックはそこそこ。大胆で面白い。しかし、真相があまりにもバレバレなので、少しでもミステリを読んでいる人なら、かなり早い段階で犯人が分かってしまうだろう。もう少し、真相を隠すような工夫が欲しい。
 キャラクターに魅力がないのが、最大の欠点。
4.0 「天使」と「密室」
▼あらすじ

 行方不明になった父を捜すための資金稼ぎとして、日々アルバイトに励む高校1年生の倉西美波。

 そんな美波に「一晩寝てるだけで五千円」というおいしいバイトの話がまわってくる。
 しかし、そこで彼女を待っていたのは「死体」だった!!
 


▼感想

 作品全体の雰囲気は、ライトノベルという言葉が存在しなかった頃の少女小説や赤川次郎作品を思わせるクラシカルなもの。
 登場人物もいかにも、という類型性を感じさせますが、逆にそこを「お約束」として受容できる人は、楽しめると思います。

 主人公の美波は、時に猪突猛進な無鉄砲さを発揮しますが、基本的には引っ込み思案で泣き虫な女の子。
 「父親捜し」という目的がなければ、バイトもやっていないようなタイプです。
 そんな“箱入り”の彼女が、バイトを通じて世間の厳しさに触れつつ、
 持ち前の“事件引き寄せ体質”(?)によって、否応なく厄介事に巻き込まれていく、という青春ミステリーです。


 さて、本作ではタイトルに注目しておいて下さい。
 ここでの「天使」と「密室」は、ダブルミーニングであったことが読み終えてみるとわかります。
 文字通り、「天使」の存在によって「密室」が開かれる(≒事件解決)ことになるのですが、別の見方をすれば、
 「天使」の存在によって「密室」がつくられた、とも取れるところが、この小説の興味深い点です。



 本シリーズには“古き良きジュブナイル”といった風情があるので、今後ともそこを大切にしてもらいたいですね。

5.0 江戸言葉が語る本格探偵小説
これは大変な作品である.江戸生まれの親を持った娘を祖母に持つ東京者の私にも本物としか見えない生粋の古い下町言葉を女子高生が話すとは.そうして滅法面白い学園物に見えるけれど実は水も漏らさぬ本格ミステリーであるとは.そもそも本格物は,作るのに疲れるものなのに,これだけの趣向を凝らすことが出来る作者がこの世に住んでいるなんて信じられない気がする.そして,この傑作が絶版になっていたのが新たに創元推理文庫の一冊として蘇ったのは手放しで目出度い出来事である.この三人娘の話はあと二冊あるが,いずれ劣らぬ傑作である.文句なしに推薦.
3.0 仲良し女子高生3人組物語
『ライトな本格ミステリ』というには,中途半端な印象です.
女子高生3人が登場する割に,それほど明るくはありませんし,
事件のほうも,真相やトリックが単調でちょっと物足りません.

また,物語のはじまりから事件が起きるまでが長く,
2/3ほど読んだところで,ようやくといった具合です.

そのため,残り1/3で事件から解決までを語るのですが,
その事件も,女子高生3人組が片づけるわけではないので,
ただの『仲良し女子高生3人組物語』のような感じがします.

ライトかミステリ,もう少しどちらかが強ければと思うのですが….
ただ,このあとも続くようなので,ラブコメなども含めて期待します.

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