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私は北村薫のファンです。 そして、北村薫のファンとしてみて、この作品はどうしても許し難い作品です。 ミステリで落語が中心で東京創元社で。 名探偵が落語に縁の深い年上の男性で、ワトソン役が女性。 んでもって、いわゆる《日常の謎》という括りももってこれそう。 ここまでやられて、《北村薫先生の《《私》の物語》を連想するな》という方が無理です。 で、連想してしまうとね……。 これ、北村薫作品があれほど真摯に祈るように向き合っていることに対して、まさしく真逆に向かって猛スピードで驀進しているような作品だということに、どうしたって気づかざるを得ないんでね……。 《誰でもすぐ考え付くことばかり言う陳腐さ》 《読者の想像力や理解力におよそ期待しない、含みも深みもおよそ欠けた文章》 《大きさも深みも感じられない《芸》とやらのために、倫理や義理や良識をあっさりと踏みにじることを恥じない態度》 《むしろ、《それこそ芸だ》と嘯くような不遜》 ……ねぇ、この人も北村薫先生の作品、当然読んだんでしょう? で、なんでこんな作品が書けますかね??? なんだかね。申し訳ないんですけどね。 超独善、超傲慢な意見であることは承知の上で敢えて言わせて頂きますとね。 北村薫先生の作品も、そのファンである私も、読んでいて物凄く馬鹿にされているような。 そんな気がしてしまうんですよ。 つまり。 《これで《小説》書けちゃうのならさ、世話ねえよな------》 一言でいうと、そうなりますね。
自分を含め2人しかいない落語雑誌の編集部に勤めることになった主人公。落語会を取材するうち奇妙な事件に出くわすも、観察眼鋭い編集長に掛かれば謎は謎ではなくなるのだった……謎解き自体はよく出来ていると思うが、ワトソン役の主人公と探偵役の編集長のコンビのキャラクターに魅力が全く無い。短編が全5作収録されているが、1作1作読み進んでも一向に愛着が湧かない。これはシリーズ短編としては致命的だと思うのだが。「キャラクター小説ではなく、あくまで謎解きを楽しむ小説だ」と言われればそれまでだが、探偵とその助手に魅力を感じない推理小説は個人的に読んでて退屈なのだ。読後、彼らの活躍をもっと読みたいという気にはならなかった。
落語の世界で起きる『謎』を扱った5作の短編集です. 作品の設定上,落語に関する話題や専門用語やや多めで, むずかしくはないものの,ピンとこない場面がありました. ほとんどは説明されていますし,流れからもわかるのですが, ていねいに描かれているぶん,これはもったいなく感じました. とはいえ,なじみの薄い世界ながら,独特の風習やかかわる人たち, 特に,師弟関係や一門の間のいざこざなど,その世界ならではの話は, これまでとは違った目で落語家さんを観られそうでおもしろかったです. なお,落語の『ネタ』など,ある程度の知識があったほうが, 物語の背景や心情を理解できて,より楽しめることと思います.