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2001年に出た単行本を文庫化したもの。 5篇からなる短編集。 落語業界を舞台とした謎解きで、ついあのシリーズを思い浮かべてしまうが、作品の出来からいうと…。トリックなど、悪くないものもあるのだが、全体として低調。 5篇のうち3篇が落語以外の話になっているのは、何だかガッカリ。 残りの2篇が、いずれも落語業界内部の内輪もめの話なのは、実際にそういう世界だからなのか? のちの作品とは随分と印象が違う。まあ、方向転換して正解だったと思う。
自分を含め2人しかいない落語雑誌の編集部に勤めることになった主人公。落語会を取材するうち奇妙な事件に出くわすも、観察眼鋭い編集長に掛かれば謎は謎ではなくなるのだった……謎解き自体はよく出来ていると思うが、ワトソン役の主人公と探偵役の編集長のコンビのキャラクターに魅力が全く無い。短編が全5作収録されているが、1作1作読み進んでも一向に愛着が湧かない。これはシリーズ短編としては致命的だと思うのだが。「キャラクター小説ではなく、あくまで謎解きを楽しむ小説だ」と言われればそれまでだが、探偵とその助手に魅力を感じない推理小説は個人的に読んでて退屈なのだ。読後、彼らの活躍をもっと読みたいという気にはならなかった。
落語の世界で起きる『謎』を扱った5作の短編集です. 作品の設定上,落語に関する話題や専門用語やや多めで, むずかしくはないものの,ピンとこない場面がありました. ほとんどは説明されていますし,流れからもわかるのですが, ていねいに描かれているぶん,これはもったいなく感じました. とはいえ,なじみの薄い世界ながら,独特の風習やかかわる人たち, 特に,師弟関係や一門の間のいざこざなど,その世界ならではの話は, これまでとは違った目で落語家さんを観られそうでおもしろかったです. なお,落語の『ネタ』など,ある程度の知識があったほうが, 物語の背景や心情を理解できて,より楽しめることと思います.