本歌取り
楽しい作品で子供から大人まで気軽に読める作品ですが、ダイアナ氏の作品を少しばかり読ませて頂くと、ファンタジーの大御所様の作品の匂いがちらほら。グリフィンと言えば、ルイス、キャロルの「アリス」が原点?
(テニエルの挿し絵がまず頭に浮かびます)擬人化された動物たちも印象的。バラエティに富む新入生がドタバタするのはコーカサスレースの元ネタから?で、アリス的なネタを、この作品でダイアナ氏は一般的な子供向けレベルにアレンジして遊んでいるような印象をうけます。
本歌取りという和歌の手法がありますが、良し悪しではなく(先行作品があるからこそ、今のファンタジーやSFの広がりがある訳ですが)本歌取りした歌を素晴らしいと手放しで誉める前に、元歌(元ネタ)を知って欲しいと思います。
ダイアナ、ウィン、ジョーンズ氏の訳者や解説書きの人は知っていてぼかしているのでしょうが、言わなくても分かるよね?と言う程、対象読者層が大人では無んじゃないかと。
パワーは感じて楽しいのですが、面白みが私的にはすこ~し足りない
作品でした。
魔術師であるために―枠にはまらないこと、自由であること
魔術大学、今年の新入生6人は、なんだか普通じゃない。魔法の力も並外れてるが、それ以外も普通じゃない。 まず、大魔術師ダークの娘エルダ、彼女はなんとグリフィン。そして逃亡してきたドワーフのラスキン。お次は、素性を明かさない美女オルガ。大学入学を知られると命を狙われると言うフェリム。皇帝の妹なのに元老院から疎まれているクラウディア。王子であるのに貧しい身のルーキン。6人とも大学入学を反対されており、ここにいることを秘密にしていた。なのに、大学は彼らの家に寄付を募る手紙を送ってしまった!刺客は来るは、食堂は占拠されるはで、彼らの大学生活は波乱万丈。この危機を乗り越えられるのか?
少なくとも7回は読み返しました。面白くて、読み終えた直後にまた読み直したくなり、続けて3度読んだりしました。次から次に起こる事件も突拍子もなくて好きですが、その合間にある6人の仲間意識・友情に心惹かれます。寮の部屋に入りきらないグリフィンも、背が低くて逞しいドワーフも、緑がかった肌の沼族も、そういう垣根を取っ払って普通に仲間として団結してる様に、温かいものを感じます。
魔法に対する考え方も、独特のもの。既成概念に捕らわれた頭の硬い教授連が、6人の魔法に目を白黒させて慌てる様は、既製品ファンタジーに収まりきらないこの本が、凝り固まった読者に泡を吹かる様子とも重なります。
1作目を読んでないと、理解しにくい箇所があるので前作を読んだ後にトライすることをお勧めします。スカッとする楽しい本です。