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地球幼年期の終わり (創元推理文庫)

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地球幼年期の終わり (創元推理文庫)の商品レビュー

5.0 空間、時間、次元を超えた目で見る、人類という種という壮大さ
なつかしさもあって、再読してみました。

クラーク、ハインライン、そしてアジモフという、
今となっては「古典的SF巨匠」御三家の巨星の初期の傑作。

今の複雑なSF小説やSF映画からみれば、物語自体はしごくシンプル。
しかし、ミステリアスな起承や、視点の壮大さは、いまだに、人類という
種をテーマにした物語としては一級品です。

初めて読んだときも思ったのですが、「オーバーロード」たちの
絵姿は、まさに「デビルマン」にそっくりだったのではないか、と。
なぜ、その絵姿なのか、という人類史にまつわる謎も描かれていて、
一級品のミステリーでもあります。
また、最初のほうでは、映画「インディペンデンス・デイ」をも彷彿と
させます。それに、「Xメン」も加わって・・・・・。

が、しかし。お話の次元が違う。なにが「幼年期」で、何が終わるのか?
終わった後は、人類という種はどうなっていくのか?・・・

テーマとしては、現代でも十分に感動できる壮大すぎる物語。
「なるほどね、これが、2001年宇宙の旅に、なっていくのか?」なんぞと
思えるほどの地平のお話。でも・・結構、ページ数的にはコンパクト。
5.0 究極の進化とは?
この「地球幼年期の終わり」はハヤカワ文庫より「幼年期の終わり」のタイトルで出版中である。訳者が違うだけで、物語のニュアンスが微妙に違って興味深い。
個人的には創元推理文庫版が叙述的で読みやすいきがする。

さて、内容は実際にお読み頂くとして、ここでは人類の進化について。
人類の更なる進化については「ブラッディ・ミュージック」があるが、いずれも肉体を脱して意思のみで生きる生物であった。
この作品も然り。
人類を1世紀の間平和に支配した「上主」は文字通り人類を「籠の鳥状態」にし1世紀かけて子供を増やし、大人たちに最後の甘い蜜を吸わせた後、「上主心」の命令通り人類を更に進化させる作業に取り掛かる。
しかも純粋な精神を持つ子供だけ。大人たちは絶滅した。
そして最後には月を自転させたり、地球の地殻を剥いだりで超能力実験を繰り返し、宇宙を支配する「上主心」の仲間に入る時、自分達を育ててくれた故郷「地球」を・・・・・!

なんとショッキングな物語であろう。そして「上主心」に進化できず一方的な支配を受ける運命の「上主」たちの悲しい宿命。
「2001年宇宙の旅」に続く名作である。

4.0 理想社会とは?
東西冷戦のさなか、その威信をかけて戦争ではなく宇宙開発へと向けられていた頃、突然人間を軽く凌駕する科学の持ち主である<上主>と呼ばれる地球外生物が現れ人類を導き、コントロールしようとする...しかし絶対に人類の前に姿を現さない<上主>、それでも戦争や飢餓の消滅、テクノロジーの発達からの恩恵を全ての人類が受けられる理想郷のような世界が成り立つ世界で、<上主>たちは何を目的にしているのか?


SFの巨匠が描く近未来の世界を通して考えさせられるつくりになっていて、とても引き込まれました。人間のさがが描かれつつも個と集団という大きな枠組みに対する考えなど、面白かったです。最後の展開についても、納得できました。その当時はきっと反響が大きかったと思います。いわゆるSFなのですが、それだけではない問いかけもあって好きです。



種族としての価値や役目について考えさせられる、そこまで想像させる話しです、今ならエコロジー的な話しにも繋げられそうですし、世代を越えて想像させることの意義も考えさせられます。

SFが好きな方に、社会の仕組みを考える方に、オススメ致します。
4.0 人類の傲慢さに警鐘を鳴らした預言の書
いわゆる宇宙人コンタクトものだが、その風刺性とメッセージの先見性によってSFを代表する名作。

相変わらず国家間の争いに明け暮れる人類の前に姿を現わす高度な文明を持った宇宙人。人類は宇宙人の管理の下に暮らすようになる。しかし、宇宙人にとって「幼年期」が象徴する人類の位置付けとは...。

国家・民族間での争いの愚かさ、知的生命体と自らを位置づける人類の傲慢さ、管理社会の危うさと言った現代でも通用するテーマを、1960年に明確に打ち出したSF文学の傑作。
5.0 巨匠の傑作
SF界の巨匠アーサー・C・クラークの最高傑作。
戦争も疫病もない理想社会は誰のための理想社会なのか? 人類の、生物の進化とは、現状から足し算的に向上していくことなのか? 人類が初めて、自らよりはるかに進歩した生物に邂逅を果たしたとき、それらの疑問への解答を示す扉が静かに開き始める。
クラークらしい叙事詩のスタイルで物語は進むが、壮大すぎる筋書きにもかかわらず非常に読みすすめやすく、また感情移入を阻害されないように気をつけられているのが素晴らしい。ボリュームは適当で、読み疲れることもない。
1953年に発表された作品なので、さすがに古典的雰囲気を帯びていて現在のSFと技術比べはできないが、その分読みやすく、あらゆる読者におすすめしたい一冊である。

さて、この文庫本唯一の汚点は、その題名である。原題"Childhood's End"をただ直訳すれば必要かつ十分だったのに、余計なものを加えてしまった。読み終えた人にしか分からない事ではあるが、これほど蛇足という言葉の似合う行為にはなかなかお目にかかれないのではないか。短絡的な東京創元社には失望の念を禁じえない。"Against the Fall of Night"を『銀河帝国の崩壊』と題してしまうことといい、クラークになにか恨みでもあるのだろうか?
翻訳そのものは極めて読みやすく、評価できるだけに、こんなことで作品に傷をつけてしまうのはもったいない限りだ。

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