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バラードの初期の作品を一言で表現すると 滅びゆくものへのアイデンティティーということになります 船が沈み始めたら脱出を考えます ところがバラードの世界では船とともに運命を共にするのです 狂気としか言いようが無い世界なのですが作品としては成功しました こうしてバラードは次々と世界を破滅に導きました
主に1960年前後に発表された、七篇の短編集。 流石、医学を勉強したバラードの作品であるので、医学的知識が散りばめられている。 ただ、ここで創られているる世界は、異様きわまりない、という印象だ。 実質的には、本書がバラードの第一短編集にあたる。 後に、間もなく「終着の浜辺」といった短編集も出版される。 ほとんど時期を同じくして書かれた作品群の短編集である両者を比較すると、趣が少々異なる。 「終着の浜辺」は、人の内面の深い部分にまで入り込み、バラードの最近の作風に通じるものを感じる短編集だ。 比べて本書は、壊滅的または倒錯的であるという点は一貫しているが、むしろ、異様さが目立っている。 じっくりと楽しむのなら、本書よりも「終着の浜辺」の方が、堪能出来る面が多いと思う。 しかし、本書がバラードの原点である事を考えると、その部分での価値は大きい。 本書と「終着の浜辺」を、読み比べるのも、面白い。 いずれにせよ、バラードファンの、期待が裏切られる事は無い。
六十年代最大のSF作家といわれるJ・G・バラードの最高の短篇集である。バラードの最初の短篇集であり、数あるバラードの作品のなかでもこの短篇集が一番面白い。世界の崩壊ばかりを書き続ける作家といわれていた頃のJ・G・バラードを堪能できる。