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知識資本主義―ビジネス、就労、学習の意味が根本から変わる

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知識資本主義―ビジネス、就労、学習の意味が根本から変わるの解説

   IT革命は、21世紀のキーワードとして広く認識されつつある。それは、企業内の作業の効率化を図る道具としてだけではなく、社会システムそのものを覆す革命だ、といわれて久しい。考え得る変革のひとつとして挙げられる「知識型社会への大転換」を、企業や労働者、政府などといった切り口から論じているのがこの本である。そのカギとなるのは、タイトルにもなっている「知識資本主義」という考え方だ。

   本書では「知識資本主義」のあり方を、「知識市場」「知識ベース企業」「知識エスカレーター(学習)」の3部構成で論じている。また各章では、変化の主人公を、企業や労働者、政府といったステークホルダーに細分化し、論を進めている。たとえば企業は、財やサービスの提供者から知識プロデューサーへと変貌しつつあるというのが本書の基本的な主張である。ナレッジマネジメントと呼ばれる手法が注目を浴びているように、各企業は固有のものではない標準的な形式知を多く用いる取引を外部に委託し、暗黙知や企業固有の知識に依存する取引のみ企業内で行うといった「選択と集中」を積極的に行っているのが現状である。では、そういった外部化がいっそう進行していくと、企業としての価値はどう変化していくのか。このような具体的な疑問に対するヒントは、本書の中に多数ちりばめられている。しかし、あくまでヒントであり、回答ではない。

   本書を読むことで、今後の社会がどう変革するか明確な答えを知ろうとするのは早急である。本書には、変革の兆候が描かれているだけで、社会がどうあるべきかについては、各企業や個人によって意見が分かれるであろう。従来の資本主義のあり方も国によって性質や特徴が異なっているように、「知識資本主義」のあり方も画一の解釈が当てはまるわけではないと考えられる。しかし、知識ベースの企業が生き残り、人材を管理してきた経営者が知識の管理という新しい技能を身につけなければならない時代に来ているのは、確かなことであるようだ。(朝倉真弓)

知識資本主義―ビジネス、就労、学習の意味が根本から変わるの商品レビュー

3.0 きたるべき新時代を知り、心構えをするにはいいけど、かなり細かい
国際経営とITのコンサルタント、アラン・バートン=ジョーンズによる、
約 380ページ(邦訳版)におよぶ大著。

翻訳本にありがちな、稚拙な日本語訳は登場せず、
感心するほど、こなれて理解できる、自然な日本語訳である
ところが特徴です。

本書は、かなり広範囲にわたる分析、提言を行っていますが、
その分析の根底にあるのは、
ナレッジ=形式知、暗黙知、という野中郁次郎先生
の提唱する考えに成り立っています。

本文もさることながら、野中先生のあとがき(11ページもあります)も、
内容が充実しており、形式知、暗黙知の話と、
グローバル資本主義からナレッジ資本主義への移行にすいて、
おおいに勉強になります。

本文が、かなり詳細で深堀をしているので、論点を見失いがちですが、
そこは、各章に最初と終わりに、要点が書かれていることと、
最後の野中先生の11ページにおよぶあとがきで、全体の理解を整理する
ことができるようになっています。

中身自体は、歴史的な資本主義の発展から、知識(ナレッジ)
資本主義への移行、それを阻害する要因、促進する要因、
それから個人、従業員などのワーカーの範囲まで、
企業自体とその戦略に関する、政府を含む、
すべてのステークホルダーごとに、実体分析、その変節
の状況、予兆、べき論、提言などを、膨大な各国の統計データの
分析をふまえて、知識資本主義時代での、
各ステークホルダーの
とるべき態度を、細かく分析、展望しています。

特に、大企業以外の知識企業形態 - 中小企業、マイクロ企業
(個人事業者など)パートタイマー、契約社員、専門家
(医者、弁護士など)に及ぼす知識社会化の影響、現在の姿、
阻害要因、促進要因、経済体制、
社会体制、社会基盤など豊富な視点、観点から、具体的な企業やNPO、
政府活動などをあげながら、丁寧に、かつ、紙面をさいて分析し、
転換期における政府の役割の重要性を提言しています。

また、ITが、知的社会、ナレッジマネジメントに及ぼす影響は、
特に、技術、応用、市場面から、詳しく考察されています。

ただ、欲を言えば、膨大なデータの分析や各種学説を元に手を広げた
わりには、本書が何を提言したいのか、という焦点がぼやけてしまった
感はあります。私の理解力のなさで消化不良を起こしたのでしょうか。

4.0 変化の方向性がよめる
企業と従業員の関係、企業形態の変化、アウトソーシングやソリューション事業など、現在世界が変わってきているとなんとなく感じてきたことが、知識ということをベースにして非常によくまとめられている。読み応えはあるが、変化の方向性のようなものが書かれていて、興味深く読むことができた。

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