「人間的」なビジネスでないともう成功しない?
18世紀の産業革命以来、ビジネスはそこで仕事する人たちの感情や本心を疎外し、私たちの日常の多くの時間を非人間化 (dehumanize) してきました。 より高い効率、より高い生産性、自分の本心を抑えてロボットのように働き、それ以外の時間は「余暇」と呼ばれる消費生活 - この図式は何か間違っている、けれどそれが現実だと思っている人は多いでしょう。著者たちは、この図式が現実社会ですでに崩れ始めているさまざまな兆しについて語っています。 ビジネスの論理がどうあろうと、私たちは人間的な会話なしでは生きられません。 興味深いことに、近代的な組織化された (institutionalized) やり方を無視して、それぞれの関係者が枠組みの外側で個人として活動したときにより意味深い顧客満足が提供できるというパラドックスがここにあります。 一つの例 - 自動車のトラブルにかんする販売店 A の対応についてネットの掲示板で苦情を述べる人に対して、販売店 B の現役技術者 C が個人として販売店 A の立場を代弁し、心理的サポートを提供。 この場合、販売店 A/B は技術者 C が顧客満足に向上していることを知りません。 ネットの掲示板では個人としての肉声がとびかいますが、伝統的なビジネスはこれを管理も奨励もできません。
ネットで顧客と提供者がより緊密につながると、組織化された (organized) 言葉でしか話さない人たちからは顧客は離れていくでしょう。 今日の「プロ」とか「ビジネス」の意味の根本的な社会的変化をここから感じることのできる人たちに、私はこの本をお勧めします。 (原著の英語は、ユーモアとウィットあふれる、簡潔で読みやすくテンポのよい口語調ですので、口語体のアメリカ英語を勉強している人にもお勧めです。)