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戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ

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戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップの商品レビュー

5.0 戦史をじっくり読まないと、最後のまとめに対する理解が浅くなると思いました。
数年ぶりに読み直しました。戦史を題材にして、フレームワークを抽出した作品は、結構増えたように感じますが、その中でも本書のレベルは高く分かりやすいと思います。ケースの抽出もさすがだなと思います。

ただし、3つほど不満な点がありました。
1)勝因をリーダーシップやリーダーとしてふれていた節が随所に見られた。リーダーシップやリーダーのどこが凄かったのかを抽出する必要が出てしまう。しかし、最後に「賢慮」というキーワードを使い、その要求を5つに整理してあったが、浮いているというか宙ぶらりんな感じがした。リーダーシップやリーダーを属人化しないで理論で説明できないものかなあと思いました。
2)8章で勝者のみをフレームワーク化していたが、敗者の敗因もあわせて分析してみる必要があったのではないか。
3)同じ8章でベトナム戦争ではなぜ米国側を表にまとめたのか?他のケースと同列に勝者を取り上げるのであれば、北ベトナムを採用すべきだったのではないかと思う。

本書の内容をどう自分の組織の戦略に活かすか考えようと改めて感じたことと、まだまだ世界史では知らないことが多すぎるなと感じました。
4.0 ポイントが多すぎて重要事項がわかりませんでした
あまりにもポイントが多くてこれといったことがつかめなかった。
成功は結果論なのでむずかしいかもしれません。
失敗の本質では今後の日本の指導者の高齢化を心配していました。
個人的には今後ごみ処理問題が大切かと思いました。
5.0 戦略の本質を読み解く
本書は、「失敗の本質」という書と姉妹本の関係にある。「戦略の本質」では、過去の戦史の中で、成功した作戦例を取り上げ、戦略、作戦、組織、情報等の観点からどういった点が成功を収めたポイントなのか戦史を検証しているところが面白い。
 取り上げられている戦史は、毛沢東の包囲討伐戦、バトル・オブ・ブリテン、スターリングラードの戦い、朝鮮戦争、第四次中東戦争、ベトナム戦争の7つの戦史を取り上げている。
 その戦史を紐解く前の予備知識として、戦略とはどういったことなのかを序章および第1章戦略の系譜で取り上げている。中でも注目すべきは、グレー(コリン・グレ−:米国の戦略研究家)の議論で戦略の諸位相という17項目であろう。戦略を考える場合にこの位相を理解することにより、国家と国民と軍事の係わり合いというものが自ずと理解できる。
 終章では、戦略の本質とは何かということについて、10の命題を解き明かすことにより、「戦略の本質」に迫っているのも興味深い。今まで、日本人は「戦略」という言葉を多用してきたが、その本質について理解しているとは言い難い。本書は、改めて「戦略」という概念について、考え直させてくれるであろう。
4.0 少々強引さはあるが、確かに「良書」
位置づけは1984年発行の名著『失敗の本質〜日本軍の組織論的研究』の続編でしょうか? 執筆陣もほぼ同じです。
歴史に学ぶ振りをして、成功事例の味付けや孫引きでお茶を濁す相変わらずな類書が多いなか、今回も値段以上に非常に真面目な作りです。ただし軍事用語が多く、例えば「○○個師団」「××小隊」が何人くらいの集団なのかイメージができない(多くの)人は読み疲れる部分があります。

あらすじについては省きますが、論考の中に「なるほど、よくぞ!」と膝を打つものがありました。五分五分に戦力が拮抗したときに優劣を決する、一つの重要な要素として「道義的な優位性」を挙げていた部分がそれです。
多くの読者が闘っているであろう、企業間(あるいは部門間)の競争には正当性も道義も無い<ゲーム>のように語られる事が多いのですが、実はそうではない事を我々は知っています。

さて、『失敗の本質〜』が<日本軍>という実在した組織と、<失敗>という歴史的事実に的を絞っているのに対し、今回は<逆転>という、偶然として片付けられてしまいかねない事象を扱っているせいか、少々曖昧で強引な読後感を与えます。
二つ挙げるとすれば、
・戦略論を「リーダーシップ論」に帰結させている部分が多い。これはこれで正解なんでしょうが、反証として必要な、負けた側のリーダーシップへの論考が甘い気がします。
・目的の明確さと組織全体にそれを鼓舞することの重要性を頻繁に説いています。これは“大目標と戦略と戦術の整合性を取れ”のコンテクストでは納得できるのですが、目的の明確さ自体がそれほどキーポイントになると思えませんし、論考も十分とは見えません。「ある種狂信的ですらあった大日本帝国がなぜ負けたのか」という前作の問題設定から結果的に後退した感すらあります。
5.0 深い示唆に富んだ本質論
過去の戦争の中で劣勢からの逆転を実現したケースを取り上げ、「戦略とは何か」に迫る一冊。

詳細なケースの分析もさることながら、本書の最大のポイントは最終章の戦略の本質を語る命題である。

命題1:戦略は弁証法である
劣勢という状況からの勝利を実現するためにはそのギャップを補完するための行動が必要である。それを弁証法という言葉で表現している。
命題2:戦略は真の「目的」の明確化である
これをもう少し正確に表現するならば、明確化された目的が存在しないところに対して戦略が成立しない。
命題3:戦略は時間・空間・パワーの「場」の創造である
歴史的時間、地理的空間の中でパワーを効率的に発揮することが戦略である。これらの3つ要素は独立に論じられるものではなく相互に影響を与え合う。パワーの要素はハードパワーとソフトパワーの双方を認識しなければならない。
命題4:戦略は「人」である
戦略の洞察と実行は人間が行う。分析的戦略論は所謂傍観者であり、本来の戦略を語るには限界を伴う。
命題5:戦略は「信頼」である
戦略はソフトパワーを基盤として機能する。信頼、規範、ネットワークといった社会の基盤により戦略の機能を左右する。
命題6:戦略は「言葉(レトリック)」である
リーダーには戦略を表現するための言語能力が必要である。
命題7:戦略は「本質洞察」である
「見えるもの」の背後にある「見えないもの」を見る能力が不可欠である。そのために、過去のリーダーたちは戦闘の最前線に赴くことで肌身でそこで起こったことを理解しようとした。
命題8:戦略は「社会的に」創造される
戦争は人と人との相互作用のなかで生成され、正当化される。個人の主観に基づいて構成される以上、そこにバイアスを生む。
命題9:戦略は「義(ジャスティス)」である
深い意義を伴う目的はその明確化を強くする。その明確化の中で戦略の意味合いも強化される。
命題10:戦略は「賢慮」である
日常のコンテクストの中から特質を見出し、それを言語で再構成しこれを実現する能力がリーダーには求められている。


上記の要素はすべて実際の戦争をベースに分析された結果であるが、経営戦略にも通じる示唆深い内容だった。

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