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われ巣鴨に出頭せず―近衛文麿と天皇の商品レビュー 本当に弱いなら…
本当に弱いならあれだけ言葉に影響力をもたらす人物が無言で誰も非難せずに断命するだろうか。悪口ばかりで醜い世の中。静かに責任を問おうとする相手に『弱い』という資格があるか。弱いならGHQから信頼を得られたか。名門公家の血をひくにふさわしいやはり寡黙というスマートな最期である。本当に悪人で真の戦犯ならば時を経て今なお評価を得られるのは何故か。人のせいにしなかったからではないか。『弱い』とか『優柔不断』と云われるが、そのように揶揄する人間は非業の死を遂げるとき、黙して終われるか。今の政治家や学生は学ぶべき点が多々あると思う。 推奨
「第12 ハーバート・ノーマンと都留重人」には、鳥居民氏の『近衛文麿「黙」して死す』とほぼ同趣旨のことが書かれている。木戸幸一の縁戚筋に当たる都留重人とその友人ノーマンの筋書きにより近衛氏の悲運が決したという見解である。文字通り「黙」したまま従容と死に赴いたという点で、近衛氏は後世の歴史家が描く「意志薄弱な名門貴族」ではなく、強い信念の持ち主であったという結論が導かれている。強い信念の結果がなぜ死を選択することに結び付くのか?なぜ「強い信念」にもとづき、真実を明らかにし、どのような形であれ日本の再建に寄与する途を選択しなかったのか、については説得的な祖述はない。この点を含め、総じて近衛=善玉、木戸=悪玉との印象を与える点がはたして公平な評価といえるのかどうか、大いに疑問が残る。とは言え、ノンフィクション作家としての著者の力量に疑問はない。平成生まれの若者が成人に達し、ますます昭和の記憶が遠のく今日、日本の運命を決定づけた昭和史を改めて検証する作業の重要性を再認識した。 罪のなすりつけという仮説には共感できない 二人の運命を分けたのは…
私は、常々、対米戦争という国家破滅の愚行に至った直接の原因は中国侵略にあると思っている。太平洋戦争は、米国に追いつめられ、民族の存亡を賭けて戦わざるを得なかった自衛の戦争である、などという白々しい弁明は、それこそ日本側の「東京裁判史観」であって愚劣極まりない。こういう考えを持ち上げる輩を苦々しく思ってきた。 見直される貴種の政治家、近衛文麿
近衛文麿の評伝としては昔、岡義武著「近衛文麿−運命の政治家−」(岩波新書、1972)を読んだことがある。近衛は2.26事件後に、青年貴族宰相として国民の期待を担って登場したが、蘆溝橋事件に始まる支那事変を軍部の独走を抑えきれずに拡大させて政権を放り出し、結果として日米開戦に至らしめた優柔不断の政治家という印象が一般的であろう。そして戦後はGHQから戦犯容疑者に指定されて自ら毒を仰いで自裁したとされる。 いつの時代もマスコミは…
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