これからの社会・ビジネスを考える
21世紀の社会・ビジネスを構想するにあたり、「分散」「自律」など、基礎となる考え方の説明、セキュリティや環境、協働の誘因等考慮すべきこと、そして21世紀型の「知のあり方」について、書かれていました。現代社会、特にインターネット上のコミュニティやビジネスの分析には「目からうろこ」的な視点がありました。「構想」という面では、「構想そのもの」を語るというより、構想を練るポイントが中心に説明されている印象です。
これからの社会・ビジネスを考える上でヒントになることが、見つかるかも、の本です。
普段、「これからの社会とは?」など高尚なことを考えることは、ないです。が、それでも理解できるように、わかりやすく説明されています。少し、気分が大きくなったような感じです。
ソリューションは分かりやすいが、オープンはよく分からない
この本のキーワードは、タイトルにあるとおり、「オープン」と「ソリューション」である。「ソリューション」の方は、とても常識的で分かりやすい。ITを使って、社会経済の問題を解決するというもので、「安全でありながら個人の創造性の生きる社会を作る」、「知の結合による高付加価値産業の育成」、「バリアフリーで能力が活き、育つ社会を作る」という4つの分野をとりあげている。
こちらは、昔からある議論で陳腐な感じもするが、そこはさすが、
「プライバシーを守ってくれる企業にはプレミアムがつく」とか、(セキュリティに関する)「無思慮な経営責任追及がかえって隠蔽体質を作る危険(を生む)」(ネットを使った教育に関して、)とか、新たな知見が示されている。
これに対し、「オープン」のキーワードの方は、分かりにくい。インターフェースをオープンにすることで、「国民一人ひとり(や地域ごと)の能力とイニシアチブを引き出す構造を提供」するということだと理解したが、正直よく分からなかった。ソリューションとの関係で、どういうインターフェースが必要なのか、どのように多様な主体をインテグレートするのか、具体性がほしかった気がする。
オープン化の意味合いには、官僚統制でも、市場原理でもない、ボランティアによる第三の道も含まれているようであるが、こちらもリナックスのようなモデル以外に、収益性のあるモデルが望ましいということが必要だということはわかったが、じゃあ具体的にどうなのと言われるとよく分からない。
要するに、本書は理念を書いた本であり、解決策まで書いた本ではない。
なお、異質技術間競争(専用線とブロードバンド)は大成功したが、同質技術間競争(マイラインは)弊害が目立つとしているが、電話料金の値下がりは無視できず、最近の基本料金の値下げ競争の兆しを見ると未だ必要な問題であり、同意できない。