入門書によい
入門書やレンズ用語解説としては奨められる。和書の類似書と比較すると、カバーする範囲は広い。ただ、当然ながら説明は簡略なものであり、なぜそうなるのかを理論的に答える力はない。ところどころ、論理の飛躍や、持って回った説明が気になる。理系の人間なら、他の専門書を読むべきだろう。
こんな本が欲しかった
やっとめぐりあえた、というのが最初の感想です。レンズのことを一般向けにわかりやすく書いた本が無いなかで、こんなのが欲しいなと思っていた本、しかもその期待をずっと超えた本です。 素人にもわかりやすく、しかも、レンズに関する重要なことがほぼみんな、歴史・基本から始まって材料や作り方を含め説明されています。身の回りの例も、へーこんな風に使われていたんだと次のページをめくるのが楽しくなります。
式は最低限にして、図を用いてわかりやすく簡潔に説明してくれています。例えば、収差とか被写界深度といったことは、専門書では数式を基に書かれますが、この本では図を使って説明されます。主点とか正弦条件といった言葉は専門家しか知らない用語ですが、この本では本質を簡潔に説明してくれています。それでいて、大事な式はきちんと書かれていて、基本的な公式集の代わりにもなる重宝な本です。
眼や望遠鏡・カメラから始まって、身の回りや産業機器のレンズ製品についても紹介されています。車のCD・DVDは振動があるはずなのになぜ「針跳び」しないのか、ずっと疑問でしたが、この本の光ディスクのしくみの説明を読んで納得しました。デジタルカメラや液晶プロジェクタなどハイテク製品が、レンズの工夫の数々で支えられていることを知りました。
名レンズ設計家の系譜を受け継ぐレンズ屋さんのレンズにかける熱い思いが産んだ、平易簡明ではあっても蘊蓄に裏付けられた、レンズ入門の名著。