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中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義

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中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義の商品レビュー

5.0 新しい視点!
この時代のことを、こういった角度から眺めるというのは新しい視点で、ためになりました。
4.0 違った角度からみる日本
おもしろい。
インドの独立をめぐる日本と英国の関係。
西洋風の物質文明に対する東洋の思想。
西洋風帝国主義に傾く日本への警告。
しかし日本の膨張に次第に同調するボース。
著者のちょっとしたコメントは、実に厳しい。
やや観念が先行し、安全保障をベースにした当時の
(今日も・・)国際政治をやや割り切りすぎているやに
感じる部分はある。
しかし著者の語るストーリーは
実に興味深い。
5.0 「アジア主義」と現実の「アジア」の相克
R.B.ボースという一人のインド独立運動の闘士を通して、近代日本の「アジア主義」に迫っていく。

日本に亡命したボースは、英国や日本の官憲から身を隠し、内田良平や頭山満、犬養毅といったアジア主義者たち、孫文ら中国や朝鮮の独立運動家たちと親交を持ちつつ、祖国の英支配からの解放のために尽力する。

日露戦争後の日本が、アジアの民族主義者たちの期待の的であり、ある種のネットワーク拠点となっていたということは、山室信一『日露戦争の世紀』(岩波新書)で述べられている点であるが、そのアクチュアルな実態がよくわかる。

反帝国主義の旗手としての役割を日本に求めていたにも拘らず、日本はやがて朝鮮を植民地化し、そして中国を侵していく。そのプロセスを目の当たりにしたボースの苦悩は、おそらくアジアの苦悩であったに違いない。

イギリス帝国主義という「近代」を超克するために、「アジア主義」を語る日本帝国主義という「近代」に頼らざるを得なかった、そこに悲劇の本質がある。
4.0 チャンドラ・ボースではなく
「中村屋のボース」を選んだ着眼点が、まず秀逸である。

誰もが知っている新宿中村屋のカレーの意外な由来から、
戦前の日本とインド独立運動の深い関係にまで説き及ぶ。
ボース個人への共感は決して隠されないが、
そのアジア主義に対する批判的検討も忘れられてはいない。

ただし、アジア主義の思想的浅薄さ、
もっと言えば中身の無さを指摘するだけなら、
ある意味、誰でも思いつく優等生的な結論ではある。

むしろ、曖昧で具体的な根拠に乏しい思想だったからこそ、
当時の世界を大きく動かす力になり得たという、
思想のパラドックスを鋭く衝いた議論が展開されていれば、
迷わず☆5つをつけていただろう。
5.0 人生を駆け抜けた
 発売以来気になっていた本だった。ようやく読む機会を得たところ 余りの面白さに 一気に読み終えた。小生は 中村屋のカレーの大ファンであるが あの美味しいカレーの背景がかように劇的であることには少々感動した。

 ボーズというインド独立に人生を捧げた男の話である。今 我々にとってのインドは 案外遠い国だ。BRICSという言葉で 最近は経済的に注目されつつあるが それも ごく最近の話である。大半の日本人にとってのインドは カレーや紅茶で知っている「程度」かもしれない。ヒッピー文化がはやった1960−1970年代には 一種の「聖地」でもあったらしいが それも昔の話だ。

 それだけに戦前の日本が インドと深い結びつきがあった事が新鮮だった。ボーズは ひたすら祖国独立を願い 宗主国のイギリスと敵対する。イギリスに敵対する余り、第二次世界大戦に突っ込んでいる日本に同調していってしまう姿は その後の歴史を知っている我々には痛々しい姿に見えてしまう。やがて インド側からも ボーズは「日本の傀儡」と見なされ 革命家としては挫折し 死を迎える。その意味では悲劇だ。しかし 精一杯人生を駆け抜けた一種の爽快感も読後に残った。
著者のボーズへの愛情が本書に溢れているからであろう。
 
 今ではボーズを知る人も少ない。彼が残した中村屋のカレーは 今でも名前を轟かしている。

 BRICSという時代になった。本当にインドと向き合う必要がある方にとっては 必読書だと思う。
 

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