もうひとつの現実
「鯨は地球の反対側の仲間と効果的に交信するために海底の光ケーブルや衛星 回線を経由しなくても、直接コミュニケーションできるテクノロジーを有機体 の器官として持っている。彼女たちは、海水というバイオスフィアの優れた無料のインフラを利用できるワイヤレスのテクノロジーを漸進的変化の過程で選択する」
『宇宙エコロジー』第6章 もうひとつの現実 p302計画的陳腐化(アブノックス)の存在しない<もうひとつの現実>に足を踏み入れることがいまやいたるところで可能になっている。「超無料」の技術を利用したサービス(つまり誰もこのサービスから稼げない。たとえばバイオスフィアの気体酸素の存在や太陽系の光のように)が、中央中国山脈の中で実現した。コミュニケーションの恩恵は、地形と距離をついに超えた。
2005年4月1日にブロードバンドのない山間部に登場した日本初の超無料公衆無銭電話付<ネット茶屋>の存在は、通信技術を管理してきた世界権力構造の黄昏を象徴している。お金でお金を稼いだり、株で株を増やすことに夢中になっている間に、サーバーを介在させない P2P を開発したハッカーたち による見えない壁の崩壊現象を引き起こしている。
通信技術の加速度曲線に従った結果、人類もやっと他の哺乳類のように、地球の反対側の仲間との超無料通話を思う存分楽しむことができる。
ブナの森につづく裏庭には、無数のテクノロジーの見えない桃源郷が拡がっている。
バックミンスター・フラーの哲学的な遺産の一つは、"real"(現実)= "royal"(権力者)のために「生計を立てる」ことを考える仕事より、地球 全体のエネルギー・食糧・住居に関する<もうひとつの現実>の存在を証明 し、現実化させていくことにある。
[スローになろー]プロジェクト-----More Slowly to be Narrow
このプロジェクトが始動できたのは、『宇宙エコロジー』の読書会のお陰である。