注目すべき日本人論
呉 善花さんが書いた日本人論です。見た目がほとんど同じだからこそ余計に韓国人と日本人の考え方の違いに苦しんで考え抜いてきた著者ならではの著作です。他の西洋人が書いた日本人論よりも深い洞察が見えます。著者曰く、西洋人の書く日本人論はアジア人論に近く、その論拠に合わない日本人の考え方は例外的なものとして考え、重要視しない傾向にある。しかし、実はその例外的なことこそ日本人を理解するには最も重視すべきものであると主張しています。この本で新たに提唱された「前アジア世界」は、まさにその概念化です。この見解を読むだけでもこの書籍を読む価値があるでしょう。
私の意見としては日本人を理解するには古代神道の思想を含めて考えるべきだと思っています。「前アジア世界」という概念にも幾ばくかその思想が見えるため、私にとっては非常に納得のしやすい本でした。
また、著者は一歩進めて、日本人の思想を世界に理解してもらうには、といった記述も最後に論じています。自己を知ってもらうことは難しいことですが、このような著作を参考にこれからの日本人の主張も考えていくことは非常に有益なことだと思います。
外面だけを眺めた日本人論を読むくらいなら、是非本書を読んで自己の内的起源に思いを馳せて欲しいものです。
日本人の本質を変えないまま、世界に日本をどうアピールするのか
タイトルからすると日本人の姿を探究する様なイメージだが、単に日本人が日本人を追求していくモノとは違い、外から見た、この場合で言えば主に韓国人から見た日本人の姿を探り出している。呉善花氏の他の著書を拝見してもこう言った姿勢が伺われる。世界では日本人の特異性、特によく言われるのが「何を考えているか分からない」と言う見方が一般的だが、だから日本人は駄目なんだ、みたいな短略な解決を目指さず、逆に世界のコモンセンスとは違うけど、これだけ成功した、安全で安定した生活ができる国民が過ごしやすい国は他に無い、だから凄いんだよ。それをどう世界にアピールしていくかが今後の日本の課題であり、そう言った義務が日本にはあると語っているようだ。
鮮烈なインスピレイション
著者の言う、日本の「前アジア世界」の感性を、どう評価するか・・・日本人の個性でありながら、日本人にとっての足かせでもある。
そのことをどう解決してゆくかという、解明の次の段階のことは、やはり難しく、著者もまだ具体的に充分には展開できていない面もあるかもしれないが、我々に多くのインスピレイションを与えてくれる。外国人の日本語使いの新しい可能性が著者の前には開けているのではないか。
「日本モデル」の必要性を説く好著
日本人は、態度があいまいで、さっぱり理解出来ない民族であると、諸外国から思われているようだ。そんな評価に対して、これからの世界は日本人の経験をもって「日本モデル」によって、世界の情勢をつくっていかなければならないとする、日本人に対するオマージュの著書である。 韓国人の呉善花氏は、『スカートの風』から始まって、『攘夷の韓国・開国の日本』など数多くの著作によって日本人を勇気づけてこられた方である。そして、母国では「日本人におもねる親日売国奴」だと言われているとも正直に告白している。
そんな著者の、じれったい程の思いを述べた貴重な提言である。具体的提言内容は、本を手にとってもらうことにして、著者の述べる「日本モデル」だけについて触れておこう。日本の!あり方を、世界に敷延すべきだと主張する。
西洋人でもアジア人でも、率直に本音を出し合い論議するという。しかし、タテマエとする言葉の裏には、自国の利益のみ求める邪悪な心が潜んでいることが多い。日本人は、時間をかけて合意に至ろうとする習性であるという。演技でもってタテマエを主張することが苦手なのだ。しかし、現実の日本は、世界で最も貧富の差が小さい平等社会あるし、非戦を貫いて共生の世界に導く実績があると言うのである。