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著者は日本赤十字社の人。 本書は国際赤十字の歴史をたどったもの。デュナンによる発案、ジュネーブ条約の成立、ヨーロッパ以外の国々への広まり、二度の対戦における赤十字の役割、現在の問題点と順番に語られていく。 歴史的な事実を細かく見ていくというタイプの本で、国際赤十字史について、非常に詳しく知ることができる。赤十字が抱いた理想と、各国軍部・政府による反発、その調整と妥協というふうに歴史が進んできたことが分かる。 評価できるのは、赤十字の役割と成果を過大評価していない点だ。我々は赤十字と聞くと素晴らしい組織だと思い、戦傷者の保護において重大な貢献をしてきたかのように思ってしまう。しかし、実際には思うように活動できてこなかったのが本当なのである。政治的な駆け引き、各国の思惑といったものに巻き込まれ、部分的な活躍に留まってきたのである。 赤十字内部の人間が、その問題点と未来への課題を示したという点で、価値のある本だと思う。