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ニヒリズムの宰相小泉純一郎論 (PHP新書)の商品レビュー 意味はないけど楽しみだ
ニヒリズム(虚無主義)ってのは逆説的で、”絶望的だから真理を追っかける。” 実は、ヨーロッパでも首相の大統領化現象が進んでいる、という指摘にも、なるほどな、と
P.146-の竹下元首相による大蔵大臣論で、三期連続で大蔵大臣で予算をつくったら、もうその大臣には逆らえない、といのは面白かった。実際、三期連続で予算を編成した佐藤、田中、福田はみんな総理大臣になっている、と。では、なぜ誰も逆らえなくなるのかというと、3年連続で予算編成したら、最初に陳情されたものに全て予算をつけてやることができる。そうなると全ての勢力から人もつくしカネもつく、というわけなんです。 小泉首相の行動パターンに切り込む良書
小泉政治の長所短所をバランス良く論じている。以前にレビューした山口二郎の岩波新書が、小泉政治を「思考忌避」として非難した書であるのに対し、本書は、山口と同様に、小泉政治には長期的ビジョンがないなどとあっさり批判する一方で、小泉政治が戦後政治にもたらした良い点も論じており、バランスがとれている。山口の理論では、小泉内閣が5年の長期にわたって続いたことの説明が難しくなるが、御厨は、小泉首相の、マスコミ対策の傑出さ、政治局面に当たっての「賭け」といっても良いほどの判断の切れ味など、政治家としての行動パターンをきめ細かく検証しており、面白い(ただし、山口の著書は昨年の衆議院選挙以前であるので、やむを得ないと思われるが。)。 祭のあと
前世紀の末に冷戦構造が崩壊し、国内政治の保守・革新の対立軸を無効にしたとき、「改革」というあらたな記号を持ち出して政治の将来を見通してみせたのは、いまの民主党代表である小沢一郎だった。自民党の自民党たる由縁を強烈に体現していた彼が、そのキャリアを捨てて見出したビジョンは、その後、形を変えて橋本内閣に受け継がれ、二十一世紀になって漸く実を結びはじめた果実を、国民に後押しされた小泉純一郎に利用されることになった。「自民党をぶっ壊す」の一言ではじまり、「改革」の理念を継承したかに見えた小泉政治は、彼と、彼を強烈に支持した国民大衆にとって、いったい何だったのだろう。この本は、「戦後が終わらない限り、自民党政治もまた終わらない」という御厨教授のリアルなペシミズムを基調に、敗戦直後にまで遡る豊かなパースペクティブの中で、小泉政治を通して見えてくる戦後日本社会の根本的な問題点を教えてくれる。小泉首相がもつニヒリズムを超える力が日本社会にあるのかどうか、それは、たぶん国民自身が解くことを課せられた、重い問題なのだと思う。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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