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夕凪の街桜の国

夕凪の街桜の国

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夕凪の街桜の国の商品レビュー

5.0 おすすめします
私は被爆者の子孫ではないですが広島育ちです。

「8月6日の場面から衝撃的な展開を見せる映画」は
小学生から散々見てきました。
それで、原爆は悪い、怖いというトラウマをしっかり
植えつけられて、それでも、やっぱり表面上「原爆、戦争は悲惨」と
頭で理解しているだけだったと思います。

だから、最近はネットやニュースで情報の溢れている中、
自分が戦争反対なのか賛成なのかすらよく分からなくなっていました。

この作品は、いろいろと考えさせられる作品だと思います。
私と同じように広島や東京で、同じように普通の生活を送ろうとしている
人々をほのぼのと描いた作品ですが、原爆を体験していない私達にはない
ものが、終始影を落としています。

レビューで言いたいことはひとつだけ、
読む価値のある作品であることは間違いないと思います。
何を感じ取るかは人それぞれですが。。

最近上京して、東京出身の会社の同僚に「広島出身なら残留放射能で禿げるかもね」
などと冗談で言われましたが、知らないことは罪ですね。。
出来る限り多くの人に読んでいただきたいですが、作品の重い/軽いや暗い/明るい、
泣ける/泣けないなどを価値判断にしている人に薦めたいとは思いません。
5.0 ヒロシマナガサキに投下された原爆、庶民の生き方をこれほど生々しく描いた作品は無い。
 こうの史代さんは1968年9月に広島市で生まれた。
 どうして、かような作品を創り出すことができたのか。
 私は途惑っている。
 1945年8月6日に原爆投下の対象とされた軍都広島。
 23年たってこの広島市に生まれたのだ。
 「夕凪の街」はヒロシマに原爆を投下したアメリカ合衆国と、奇跡的に瞬時生かされた庶民の物語。
 主人公皆実(みなみ)の生と死を想像できたのか。
 
 さらに、「桜の国」の七波(ななみ)。今の時代に生きる娘。彼女の生き方のいさぎよさ。
 被爆2世。
 いずれも短編。これほど感動した漫画は無い。
 私の知人には被爆者がおおい。
 私の友はこの書を20回読み 貸してくれた。
 その書には 折り目無く帯もついてあった。新品そのもの。
 友は この書を大切な宝物として扱っていたのである。
 これが映画の原本。
 希望をもたらす素敵な絵とお話し。
 すばらしい。
 世界中で読まれてほしい。
5.0 忘れられない話。
「夕凪の国」では原爆投下から10年後の広島が舞台。
被爆者である皆実の内省は常に原爆投下の日に向けられている。
生のきらめきに触れようとするたび、生き残ったことへの罪悪感と戸惑いにとらわれる。
自分は誰かに「死ねばいい」と思われた…
みんなが死んでゆく中、自分はわけもわからず生かされた…
土地の人みんなが抱く心のわだかまりだが、
しかしこの思いにとらわれている限り、
ヒロシマに生きる人は「生ける亡霊」なのだ、と、原爆ドームを見た皆実は悟る。
そして、人類最大の禍いを乗り越える一歩を踏み出そうとするのだが…。

「死」とは過程である、とこの物語は語っている。
「死」に至るまでには「生」がある。
ともすれば淡白に描かれがちだけど、
「死」はこんなにもじっとりとした生暖かいものなのだ。
そして、「死」の瞬間の後にも、ぽっかり開いた穴として「死」は「生」の中に生き続けるのだ。
皆実の死は、悲しい、切ない、ということを通り越して、
強く「このようなことが起こったのです。起こり続けているのです。」と訴えかけてくる。

純粋な悪意の産物である原爆。

純粋な悪意。

信じられますか?
そんなものが人の内にあるなんて

誰だってあんな女の子に幸福をと望まない人はいない。


4.0 原爆を忘れてはならない。

そう誓う人々がいる一方で、あの日のことを
思い出したくない。

と自分の心を閉ざしている人々がたくさんい
ます。想像もつかない恐怖というのは、その
責任を自分へと向けてしまうものなのかも知
れません。

どうしようもできないくらいの被害を人は天
災のようにとらえてしまうのかもしれません
。或いは、自分のせいにしてしまうのかも知
れません。

そういった意味では、原爆という認識できな
い悲劇を扱った作品は、たったそれだけで評
価されるのかも知れません。


思い出したくない。
忘れてしまいたい。
忘れてほしくない。


少なくとも、この出来事を知らない私たちは、
正面から向き合う必要があると思います。

そこに解答はありませんが・・・

5.0 名作
2004年作。
原爆に限らず、戦争についての作品といえば、残酷描写やその後の生活苦、過酷な運命の強調というのがややお決まりのパターンですが、本作ではそのような描写はほぼ抑えられており、優しいタッチで描かれています。
「夕凪の街」は昭和30年/「桜の国」は(1)が昭和62年、(2)が平成16年の話で、単体でも成立する(例えば「夕凪の街」の登場人物は「桜の国」では回想シーンを除き、後姿しか見せていない等)ように作られているのですが、1コマ1コマ丹念に追っていくと、絶妙な形でリンクしていることが分かり、読めば読むほど感心させられます。
「夕凪の街」は、原爆で生き残った女性の話で、主人公の「幸せになりたい」という願いと、そこに影を落とす「戦争」と「生き残ってしまったという贖罪」の対比が絶妙に描かれており、特に終盤の"省略の美学"ともいうべき表現手法が、逆にこの作品に圧倒的な深みをもたらしています。
「桜の国」は、「夕凪の街」の一家の次の世代(被爆2世)が、戦後60年経った今でも残る過去の呪縛から、昭和40年代の広島の「夕凪の街」での回想と交互して浄化されていく様が感動的に描かれています。
解釈に幅はあると思いますが、個人的には「夕凪の街」の「終わりではない」という言葉が「悲劇や怨念忘れまじ」だけではなく、当事者は過去の呪縛からは解き放たれてもいいし、次の世代にとっては「希望」(忘却の肯定ではない)へと形を変えて繋がってもいいというメッセージがこめられているのではないかと思いました。
帯にもありますが、2000年代漫画界初の名作といえるのではないかと思います。
おすすめです。

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