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BL作品でデビュー後、男性向け成年誌・一般誌にも活躍の場を広げ「女の子は特別教」「(ニコ)」など切れ味の良い短編・連作作品で強い印象を残すタカハシマコ。本書「エオマイア」は(おそらく)作者初の長編作品です。 とにかく絵柄のかわいらしさが光るヒトで、BL系・男性向けの両分野で作品を発表できるのも、男女どちらにも愛される画風が一因だと思います。絵柄にあったほのぼのとした物語や独自の発想があるユーモラスな作品も多く発表していますが、一方で、そうした作品とは対照的に死や悪意といったモチーフを扱った乾いた残酷さのある作品も得意としており、個人的には後者のタイプの作品が特に好きでした。 本書「エオマイア」は新興住宅街を舞台として、隕石が墜落したことをきっかけに身体が溶ける現象が起こり始めるという、古典的なSFホラーの定型を採用しています。非日常な出来事を触媒に日常の中にある孤独や悪意を鮮やかに浮かびあがらせ、さらに思春期の少女の、学校や新興住宅街という閉ざされた場所の、そして「生きること」の寂しさと閉塞感が低奏通音として物語を流れる演出はお見事です。 しかし物語の閉じ方に不満があって傑作になり損ねていると思います。「寂しさ」が物語のキーワードにはなるのですが、中盤までの暗示する見せ方にくらべて、ラストでは直接的に言葉を使いすぎなのではと感じます。また、あまりにも某有名SFアニメとイメージが重なってしまうのも難点です。水準は大きく超える作品だと思いますが、作者への高い期待値をふまえて星4つの評価となります。