過ぎし日の「昭和」 思いでと共に
昭和という時代は、よく「激動の」という枕詞がつきます。それほど波瀾に満ちた時代でしたが、一方で庶民の生活も大きく変化した時代でもありました。
本書には、そんな昭和の時代に営まれた庶民の生活に関するモノの数々と、エッセイを寄せられた各人の思い出が満載されています。戦前の時代は、全く体験していませんが、「戦時下の品々」を眺めていますと、本当に悲惨な生活ぶりが伺えます。国民生活の窮乏ぶりや統制下の言論の弾圧ぶりもよく理解できました。
そして、戦後闇市からスタートし、皆が必死になって建て直した日本社会が、その残されたモノの向上ぶりから回復の足取りをしっかりとたどりました。
特に、学校給食の中身の変遷を見ていますと、いかに食生活が良くなったかを理解できます。
時は流れて平成の時代へと移り変わり、庶民の生活も格段に良くなりました。モノが満ち溢れ、「耐乏・窮乏」という言葉も忘れているようです。多くのレストランから毎日でる残飯の多さ、そしてコンビニの裏で繰り広げられる「賞味期限切れの食物」の廃棄。「飽食」の時代という言葉すら、過去に追いやられています。
「なつかしい」という思いと同時に足元を見つめなおす機会を得たようです。