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いやはや、である。 今回も「五分の四くらいは、うそみたいですが本当のことです。」とあるので、ほとんど 本当のことだと受けとる。楽しく読んだ。門馬則雄さんのイラストは前回と同じで ほどよいラフさとかわいさがいい。 川上さんの日々が、3年分。タイトルの「ほかに踊りを知らない」の“踊り”って どんな?と興味津々だったが、その件では笑いをこらえることができなかった。 そこここに、いろんな“笑い”が潜んでいて、にやりとしたり、噴飯ものの爆笑であったり……。 「たまやー」の変さ。「すみれ荘」と「かたばみ荘」の対決。桃のいいにおいを 堪能する件。読みながら、ほとんど本当というのはいったいどこまで?と、 ぐるぐる考える。 でも、川上さんらしいものの見方や表現に生で触れているようで、ちょっと嬉しい。 ものを前にして、あるいはなにか行動をして、あるいはまた他人の言動を見て 川上さんはすっと掘り下げる。たちまちにして想像を閃かせる。 それは、私たちでも買い物をしながらや電車で乗り合わせた人なんかを見て 心のなかでいろんなことを思ってはいるのだけれど、こんなふうには書けない。 その時のその気持ちを鮮やかに立ち上らせてくれる心地よさがいい。 『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』から3年。 いやはや、また次を待たないとね……。 にしても、「パンツ塚」のおばさん、川上さんよりシュールだったわ。
シュールだけれどほんとうの話。 ほんとうだけれどちょっぴりうそ。 全体に真偽の微妙な、ほんわりしたトーンの物語と文体であるのが、 読んでいて妙に癒される。 ありきたりな日常が奇譚となり、 日記なのに極上のショートショートを読む感覚。 絶品デザートを惜しみながら味わって食べるように 舌なめずりしながらちびちびと読むのが乙です。