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株のからくり (平凡社新書)

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株のからくり (平凡社新書)の商品レビュー

5.0 株入門3〜4冊目に是非読むべき
 自分自身では全く株式投資には手を出したことは無いが、昨今のホリエモンや村上ファンドなどの報道内容をフォローするのに株について知識の必要性を痛感し、一昨年あたりから株の入門書をポツポツ読んでいる。当時バカ売れしていた細野真宏の株式投資入門書はその内容の薄さに呆れたが、ナツメ社の『図解雑学 株のしくみ』や西野武彦氏の著書などは分かりやすくて勉強になった。しかし、どの入門書も本質的に「株式投資」ハウツー本であり、日本の株式会社・株式市場の問題点や歴史についての突っ込んだ解説はあまり無かった。その点に関する不満感を本書はほぼ満たしてくれた。勿論、他のレビュアーも指摘している通り、全く株の知識がない人が読むには不適切で、タイトルも誤解を招きやすいとは思う。しかし、株についてある程度学んだ人が最近の株がらみの事件の背景や、日本株式市場の特異性などについて知るには非常に有用な本だと思われる。株のハウツー本を読んで株式投資に手を出そうとしている人は、証券会社にアクセスする前に是非読んでおいた方が良いと思う。ただあまりに時事的な話題(株がらみの事件)にも触れているので賞味期間はやや短いかも知れない。
2.0 間違った記述が見られる
間違った記述が見られる。経済学者としてあるまじき行為である。日経平均が10000円に乗せたのは1986年とあるが、正しくは1984年である。経済学者として恥ずべきである。株をよく知っている者ならこんな簡単なミスは起こさない。
株の歴史に関する記述は良い。しかし、含み資産株を否定しているのはおかしい。含み資産を評価するのは株価を算定する基準として、合理的なものである。また、ライブドアに対して有罪判決が出ていないのに、有罪扱いしているのもおかしい。
ライブドアを買った投資家を投機家と呼んだのもおかしい。当時、ライブドアは第二のヤフーと呼ばれ、長期投資で買った人も多いからだ。それと、値上がり益を追及する投資家は最近、増加したとの記述もあるが、これもおかしい。昔からそういう投資家はかなり存在していた。
上述のように、現在の株式市場に対する著者の認識で間違いと思われる箇所が多数ある。
2.0 圧倒的な現実に対しては???
最近の「株式市場万能」の風潮に対して批判的な本です。この本の最も読み応えがあるのは、第7章の日本の株式市場の歴史について述べた部分だと思います。なかなか、日本の株式市場の変遷についてコンパクトにまとまった本は少ないと思うので、その意味で貴重です。また、市場万能の考え方とは見方を異にし、いかに日本の証券市場が価格形成がなされてきたかということを法人株主の視点を基にして書いてあるのは新鮮です。しかし、法人資本主義が、株式投資を「投機」に変質させたして批判するのは、いいのですが、最後は「じゃあどうすればいいのか?」という部分まで踏み込めていないのはちょっと残念です。新書という形態では仕方なかったのかもしれませんが、現に資本市場を動かしている圧倒的な現実を前にしては、その部分がないと最後の説得力が欠けるかもしれません。(国民それぞれが考えろということなのかもしれません)
4.0 株の歴史教科書
個人的には株をはじめる投資家にはいくつか学ばなければならない科目があると思う。

ひとつは会計の初歩的な知識
ひとつは会計を基にした証券分析
ひとつは行動ファイナンスに代表されるメンタル面
ひとつは証券の歴史

この本は株の歴史そのものである。
ほかの誰もが薦める良書でもチューリップバブル、南海バブル、
世界恐慌、ニフティフィフティ、日本の土地バブル、ITバブル…
あたりは紹介もあるし説明もある。
ただこの本の素晴らしいところはその背景、日本とアメリカの違いなど
最後にすすむにつれて会社はどうなるのか?社会はどうなるのか?と
株式会社の欠陥、ミルの主張からは遠くはなれた現在のギャンブルとなった
証券市場の指摘など読み応えがあります。
ただこの本は誰でも読むべきかと言うとそうとは限らない。
なぜなら株についてある程度、予備知識がないとまるで内容が理解できないからだ。
何も株の予備知識なしでこの本を読むのなら星1つ
株について一通り学んだうえで読むなら星5つ
自分自身この本は満点の内容なのは間違いないけれど
もしも2年前の自分がこの本を読んでいても何も響かない。
そもそも書いてある内容についていけないと思う。そんな一冊でしょう。
4.0 よく考えてみると、株式会社の「株」って一体なんだろう?
 経済を担っている中心組織は株式会社だが、その株式会社を成立せしめている「株」って本当のところ一体何だろうか?というのがこの本の問いである。その問いの背景には、現代においても依然として、株をめぐる古くて新しい問題がある。
 著者は先ず、株とは何かという基本的事柄についての分かりやすい解説をしてくれていて、それだけでも十分読む価値がある。だがこの本の価値はそれだけではなく、現代世界における、株の現実をよく観察して、それが投資だけではなく投機、もっと極端に言えばギャンブル性という本質を含むものであることを明示し、米国仕込みの「証券投資論」は現実離れした空想の産物であると喝破している。
 すると、株式会社の運営基盤はギャンブル行為にもあるのだから、株主が賭け事に明け暮れていることを放置せずに、叡智を集めてそれらを制御しなければならないことになる。もちろん株は投資や投機だけではなく支配と言う機能ももっているから、これも放置しておけば社会にとって不利益をもたらす事は当然に予測される。しかし、現実をよく観察すると、社会は、社会自らの利益のために「株のからくり」を制御していくというベクトルには向かっていない、というのが著者の判断。株に対する知識を活用して、ギャンブルに勝利しようと思っている人にも、社会や経済をより深く理解したいと思っている人にも、ともに役立つ本だと思います。

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