コンパクトなSRS訓練書
こんなにコンパクトな新書ですが中身は充実しています。個別の訓練内容そのものは、著者の他の書とあまり変わりません。もともとメソッドの体系が完成されているからです。これは法律や経済学の本の章立ては、どの本もほぼ一緒なのと同じことです。 私はこの著者の他の本も読み、メソッドを何年も実践しました。今はそれなりに効果も感じています。この本の活用法を書いておきます。
1、同じ訓練を繰り返すこと。1回や2回では訓練の意味すら掴めないと思います。どの訓練も辛抱強く、最初は「形だけ」でも良いから、毎日、出来るだけ回数多く、繰り返すこと。私の場合、例えば呼吸法では100回目位からはっきりした変化を感じるようになり、1分間で「1回」の、意味のある訓練を行えるようになりました。スポーツのフォームを身につける感覚で繰り返してみてください。
2、訓練中感じたことを必ずメモに残すこと。どんな些細な思いつきでも必ず書くことです。著者は再三このことを述べていますが、著者の言う「聞く耳をもたない」読者は実践していないのだと思います(だから出来るようにならない人が多いのでしょう)。「書く」ことで、すでに気付いていたことと新しい発見を区別できるようになり、新しい発見が積み重なると、自分の能力の「使い方」(=訓練の意味)がわかるようになります。
3、これが一番わかりにくいのですが、著者が「視野」というとき、眼球の回りの感覚だけでなく、全身の感覚を指していることに注意が必要です。例えば自動車が後ろから近づいてくるとき、私達は音をきいてその距離を判断できます。そのとき感じている「距離」の感覚は「周辺視野」に含まれます。「緊張した空気を感じる」ようなときの内臓の感覚も「周辺視野」の感覚に含まれます。
この価格の新書で、能力を磨けるのならしめたものだと思います。既に買われた方、これから買おうという方、上の点に留意して実践してみることを薦めます。