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電車の中で化粧する女たち―コスメフリークという「オタク」 (ベスト新書)

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電車の中で化粧する女たち―コスメフリークという「オタク」 (ベスト新書)の商品レビュー

3.0 90年代半ば以降の化粧・美容文化の変容をとらえたトレンド論。
全体として化粧・美容文化を眺め直せるよううまく読ませると感じたが、いくつか気になる点もチラホラ。大きいところは以下2つ。
1.タイトルにもあるように「電車の中で化粧する女たち」を「コスメフリーク」の代表としてるが、飛躍しすぎではないだろうか。本書ではコスメフリークのカリスマ的存在を5名挙げることで議論を展開しているが、彼女達は電車で化粧するだろうか?90年代後半から注目され始めた電車内化粧女を女性版オタクと捉え、男性版オタクの象徴「電車男」と対比させているが、単なる言葉遊びのような印象を受ける。
2.本書内では他者の著作を多く引用し、著者の議論の根拠としているが、「他者による時代の解釈」をさらに著者が解釈しているため、信頼性が弱いと感じた。客観的に事実と思える根拠がもっと欲しかった。
個人的に欲しい情報が得られたので甘めで★3つ。
4.0 鋭いオタク論です。
「電車の中で化粧する女たち」。期待以上に面白かった・・・と言いますか切り口が鋭い!と感じました。

電車の中で他人の目を気にせず、一心にメイクにふける女性。曰く、家の「ウチ」「ソト」の境界線意識が希薄になっている。曰く、他人への関心の欠如。これらが一般によく言われることですが、著者に言わせれば彼女らは「コスメフリーク」というオタクの一種であり、アキバ系青年と同じカテゴリに属する、と。ほう・・・見た目がキタナイ(失礼!)彼らと常に身奇麗さに気を配る彼女らとの共通点とは?>>>>オタクたちが現実世界から逃避し、アニメなどの虚構の世界にひきこもってしまうように、彼女らが考える「コスメ」というのは所詮「顔」を土台にした虚構の世界であり、そこに閉じこもっているという点で両者は本質的に同じなのだ、と。

更にこういう性向の固定化・先鋭化を助長するのがネットの存在。ネットで溢れるコスメ・ブログ、掲示板・・。彼女らは自分が新しく購入した新製品の化粧品を語る語る・・・。メイクが好きだから語るのか、語ることそのものが好きなのか?お互いが反作用し合い、狭ーーーい虚構の世界で完結した生活が続いていく・・・。

電車の中の化粧論と言うより「(鋭い)オタク概論」という様相。

3.0 タイトルが違えば…
「オタク」と「コスメフリーク」、「自分というフィギュア」に「萌え」る、を結びつけるところなど、着眼点は素晴らしいと思います。また根拠も明示され、化粧文化論の論文としてはいいと思います。
が、『電車の中で化粧する女たち』の答えは殆ど示されておらず、タイトルが一人歩きをしていると思います。
専門的な用語が多すぎて、詳しくないとついていけない部分もありました。男性には解らないのでは?コスメフリークの当事者向けの本だと思いました。なのでちょっと辛口です。
4.0 コンパクトによくまとめている
 女性の「化粧する行為の意味」の変遷をよくとらえている。80年代の「欠点を隠す化粧」、90年代の「自己主張としての化粧」、90年代末からの「自己を表現する、教養や知性としての化粧」。しかも適時に『ヴァンサンカン』『アンアン』等の雑誌や、叶姉妹や君島十和子などの「美容セレブ」の著書から、発言や文章を引用していて、説得力がある。
 ただし、この化粧の意味の変遷が、著者がみずから最初の問いにたてた「電車の中でなぜ女性は化粧するのか」という問いの答えになっているとは思えない。
 しかし、80年代から現代にいたるまでの、化粧行為の意味についての分析、そして、化粧品メーカーの戦略と消費者である女性の対応についての時代による変化が、コンパクトかつ分かりやすく説得的にまとめられており、化粧文化論の入門書として一押しである。
5.0 まさに目からウロコの快作
一冊で、何冊もの本を読むに値するだけの情報量が凝縮されています。文章も大変読みやすく、面白いです。非常に斬新な化粧文化論ですが、大変説得力があり、この本を読み進めるうちに、現代の日本人女性が向かっている方向性が浮き彫りになってきます。てっとりばやく時代をキャッチアップしたい人には最適な一冊であると共に、(あなたがオタクであろうとなかろうと、化粧に興味があろうとなかろうと、)現代の日本に生きる「自分」を読み解くための必読書として、ぜひおススメしたいです。

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