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最近読んだ、小説のなかで最も良かった! 登場人物それぞれの立場からの語りで ストーリーを多角的に立体的に作り上げていく。 兄と弟のすれ違う心を繊細に描いている。 映画版も原作のイメージを裏切らない 素晴らしい作品でした。
人間は、どこか自分に与えられたキャラクターを演じてしまうところがある。 他人の役回りをときには羨望しながら。 けれど、羨望していた人間が、その役回りを降りたら? ずっと、そんな人間だと思っていた人が、実は演じているだけだと知ってしまったら? その役回りが、良い人間でも、悪役でも 思ってないキャラクターを突然見たときに、それまでの、その人との歴史も崩壊するんじゃないか。 これが友達ならば絶縁かもしれないけれど、血のつながりは簡単じゃない。 映像の人なので情景描写が素晴らしく、 そのひとの表情、心の機微までもが見えるような文章。 すごい。
■東京でカメラマンとして活躍する弟。 ■実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。 対象的な兄弟、だが二人は互いを尊敬していた、あの事件が起こるまでは・・・。 この小説は、登場人物5人の、様々な視点から話が展開していく。 (○○○のかたり、というふうに章が別れています) 初めて、このような小説に出会ったので、インパクトがあった。 一つの視点(主人公)からのみで描かれている小説特有の、 主人公が言った・行った事に対して、第2者はどう感じたのか、 知りたいのに、知る術もない。 そんな想いを、この小説は紐解いてくれる。 でも、ストーリーがどのように展開するのか、一向に読めやしない。 自分にも、2つ歳の離れた兄がおります。 ’尊敬’の念なんて、幼い頃は、これっぽちも抱いたことはありません。 でも、確信して言えることがひとつだけあります。 兄がいたから、今の自分が形成されている、と。 兄弟姉妹の居る人は、一読してみてください。
人って、一瞬一瞬のちょっとしたことで揺らぐものなんなんやな ってのが印象に残りました。 ものすごく苦しかったです。 その揺らぎで、簡単に、悲惨な結末ってやってくるものなんだなってのとか。 映画も見たけどやっぱひどく苦しかったです。 余談ながら、映画でのオダジョはひどくオダジョっぽい→「汚い」系やた。笑 でも確かに、蛇イチゴと(全然異色に見えて)同じスパイスを底の底の方に感じたり。
映画の方は、公開当時先に見ています。説明の少ない、役者の演技や何気ないカットで、観客に「悟らせる」手法の映画で、私が鈍いのか「真相」はどうなのかが分からなかったので、小説を読めば分かるかと思い、手にとりました。結論から言うと、小説を読んでも分かりません(笑)。映画はとにかく素晴らしい役者の演技に引き込まれ、「真相」が薮の中で、微かにもやっとしたものは残るものの、「すごいものを見てしまった。」と興奮しました。一方小説では、映画では語られなかった父や伯父の過去、伯父の家庭などが書き込まれ、なかなか興味深かったです。とは言え、映画でも各キャラのこれまでの来し方に則った演技が展開され、小説に書かれていることはすべて画面に現れていたという気がしました。この監督の観察力にはとても成熟したものがあり、それを特有の表現力で表そうとしていますが、表現と表現をつなぐ文章力という面で、少し気になる部分がありました。せっかく思い付いたうまい比喩を、少々文脈がおかしくなっても無理矢理つかっちゃう、みたいな感じがありありで(笑)。ただ、映画の方をもう一度じっくり見たくなりました。