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もうすぐ50歳も目の前の自分。 目が覚めたら、小学5年生の教室に居た。 しかも、同級生の幼馴染も一緒にだ。 どうしてこんなことに?なぜ二人が一度に? 様々な複線が張られていて、次へ次へと引っ張られるように読みたくなり、 ラストに近づくに連れ、この残り少ない数ページで結末はまとまるのだろうか? と不安な気持ちにもなりましたが、 結末を読み進めるにつれ、そんな不安はどこへやらという胸にこみ上げるものを残してくれる作品でした。 最初の数ページは二人の登場人物がどっちがどっちの台詞を話しているのか分かりにくいのでご注意を。
小路さんの作品は忘れていることを思い出させてくれて いつも胸がジーンと熱くなります。 20世紀では同級生、21世紀では同じ大学で教授と事務局長の同僚関係の三都(イッチ)と安斎(タケちゃん)の世紀をまたいだタイムスリップのお話。 二人が一緒に時空を行き来するのもテンポがよく 現在(21世紀)の彼らに起こっている問題が切実でなんとかしてあげたいと話にひきこまれます そして精神は大人で戻ったからこそわかる、昔(小学生の頃)の生活の中に感じられる昭和の風景がよかったです。 タイムスリップのセオリーともいえる「過去を変えるとねじれが起きて、現在がかわってしまう」現象を修正したり受け入れたりしている様子もリアル感があり、 読み終えてから、時空を超えてそのまま生活している人がいるかもなどと考えながら電車に乗っている自分に笑ってしまいました。 イッチとイッチのおじいさんのエピソードや、潤子姉さんとの姉弟愛も 深い愛情にあふれていて涙が流れました。 最後にタケちゃんのやるせない思いと、イッチのタケちゃんへの深い友情を感じ胸が熱くなりました。
48歳の自分が小学校5年生の自分にタイムスリップする。 しかも同じ職場で同級生の2人でだ。アイデアとしても面白いし、ラストの構成もタイムスリップのチャンスを活かしながらどんでん返しになっている。が、実際に読むとそんなに感動しない。 それは小路幸也の書き方が巧くないからだ。 2人の主人公の描き方がきっちり出来ていないので、過去と現在を2人が行き来する姿が一人に見えてきてしまう。 よってタイムスリップした半年を通じて、本当の仲間になった安斎と三都の関係からくるラストに生きてこない。
小路さんの作品はハズレが少なくてほとんど読んでるんですが、 この作品は特に大ヒットでした.読み始めてすぐに物語世界に ひきこまれ、どんなオチをつけるのかが気になってどんどん先に 読み進めて行きました. ラストは少しあっけないですが、何とも言えない切なさを感じて 悪くない読了感でした. この本の前に『東京公園』を読んだんですが、やっぱり小路さんは 少し不思議な世界を書いた作品のほうがいいような気がしました.
2006年、安斎と三都は同じ大学で働く同級生同士。 その二人が1968年小学校5年生のころに精神だけタイムスリップしてしまった。 二人の身に一体何が起こったのか? 20世紀と21世紀を行き来する二人は 一家心中してしまった同級生を救おうとする。 その原因になった3億円事件の3億円を奪うとともに・・ 小学生になった二人は少しずつ過去を変えて行く。 三都は同級生の命を救うため。 安斎は使い込まれてしまった公金を補填するための3億円を強奪するために。 しかし、過去をいじれば、当然のごとく、その結果が現在にも波及する。 それでも二人は二人の目的をかなえるために 20世紀と21世紀を行き来する。 そして結末は・・・。 最後が非常に切ないです。 同じ人間なのに、 それまで一緒に同級生を救おうとしていた人物とは 微妙な違和感がある。 同じ記憶を共有していた二人の運命は ちょっとした違いで変わってしまった。 お互いが胸に虚無感を抱きながら これでよかったのだろうか、と、 いやこれでよかったんだ、と無理に納得させているような・・・。 正直細かいところで、 これはないだろう?ってところもある。 しかし、それをおいても最後まで一気に読ませるだけの 面白さはあった。 この先どうなるのか、 ドキドキ感とワクワク感。そして不安感。 決して過去に戻ることはできないけれど、 誰だってそんなことを夢想したことは絶対あるはずだ。 ただ、この作品の場合は精神だけが過去にタイムスリップしていて かなりもどかしさを抱えながらのタイムスリップだったけど。 なかなか面白い作品でした。