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獄窓記 続 (2)

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獄窓記 続 (2)の商品レビュー

4.0 著者自身の生まれ変わりの遍歴
これはまさに『獄窓記』その後である。
秘書給与詐取によって服役、塀の中の障害者たちについて前著『獄窓記』で広く世に問うた著者が、刑を終えた後にいかに現実に罪を犯した障害者の更生や刑務所の改革の活動に参与していったかを綴った書である。

出所直後から筆を起こしているのであるが、国会議員まで務め、自信に溢れる人物であったであろう著者でさえ、社会の目に恐怖を覚え、劣等感や恐怖を感じていることは驚きであった。それだけ前科者という烙印の威力は強いのだろう。そんな著者も家族や地域の人々、知人友人とのふれあいの中で社会参加への自信を取り戻し、刑務所で知り合った障害者を訪ねたり、福祉施設で働いたりといった生活の中から次第に著者が目指していた罪を犯した障害者の支援に携わるようになり、さらに活動は拡大し、厚生労働省を法務省を動かすことになっていく。

『獄窓記』や『累犯障害者』が罪を犯す障害者たちの存在を訴えたのとは風合いが異なり、この本では著者の心境の変化や様々な活動が主題となっている。前科者である著者の「生まれ変わり」を振り返る奮闘がこの書に結実したと言えるのではないだろうか。

余談になるが、本書でも四字熟語や漢語が目立つ。これは字数制限のある獄中生活で身につけた作文術ということだ。わざわざ述べていると言うことは著者が自覚しているという以上に読者の感想でも多く触れられていたのだろうかと邪推してしまう。
4.0 社会問題と人間物語、両側面が楽しめる本
前作と比べると 著者の心理状況の描写がとてもよく描かれていて興味深かかった。
正直に赤裸々に綴られていて、等身大の山本さんが分かった。
国会議員をしていた人間でも、弱い部分もあることが分かり人間らしかった。

そして著者の中には、人間に対する深い愛が感じられた。
障害者であろうと犯罪者であろうと、社会資源として社会参加してよいなのだと感じた。
人権問題は難しくもあるがそれを正面から向き合う姿勢に好感が持てた。
刑務所に入る前と、入った中、そして出た後、色々改善が必要なことがわかった。
タブーを扱った分野だけに世の中の縮図が見える作品でした。

日本の社会の制度の観点から読んでも、人間 山本譲司の人間物語として読んでも楽しめる深い作品だと感じました。
4.0 あえてずれたことを書くよ
ほかにレビュアーが言うように、よい本だと思う。刑務所の実態に目を向けさせただけではなく、ついにPFIとは刑務所運営にまで携わるようになったのは素晴らしいと思う。しかし、そもそもなぜ刑務所に自分がどこにいるのかもわからない障害者や車椅子の高齢者や認知症の人たちが入っているのか。刑務所運営や出所後の支援をあまり言い過ぎると、そもそもの福祉の欠陥が忘れられてしまうのではないか。山本譲司氏の活動は、あくまでセカンドベストであって、まずやるべきは福祉の充実、これにつきる。
5.0 小説より面白いセルフドキュメンタリー
衆議院議員であった著者が秘書給与流用にまつわる罪で告訴され、控訴せず有罪を確定させ、服役し出所するまでを記した「獄窓記」の続編にあたるのが本作である。本作は、著者が出所し出所者コンプレックスに苛まれたどん底の状態(それでも著者は「家族がいるだけ幸運だ」と述べている)から、社会に復帰し自己を回復するまでの過程が描かれている、まさに続編である。ストーリーとしてはこのようなものだが、本書の主題は社会の誰からも手をさしのべられず刑務所に押しやられてしまう(触法)障害者に手をさしのべようとする著者の思いだ。

事実は小説より奇なりとは言うが、本作は小説のように面白い。しかし、これはセルフドキュメンタリーであり、そのリアリティーゆえに深みがある。また、本作は、失敗から立ち上がる人間再生の物語、前科者の心理や前科者から見た社会、家族の絆、触法障害者から目を背ける世間、著者の心の優しさや真摯に生きる姿など、読者により共感したり引っ掛かったりする部分が異なる多面的な物語である。ゆえに、読者により感想が異なる作品かも知れない。(個人的には、意思をもって努力した先で結ばれた縁により人生は開けてゆくところに共感した。)しかし、一読に値する作品であることには確かである。

「獄窓記」を読んだ、読んでいないにかかわらず「続 獄窓記」は楽しめ、考えさせられ、感動や共感(時には反発)しながら読むことが出来るだろう。しかし前作を読んでいない場合、そこで描かれた触法障害者が誰からも手をさしのべられていないことに対する作者の思いや、服役したことによって人間が生まれ変わる過程の心の動きなどで、本作を読んだ時の感じ方の深みに差が出るかも知れない。本作を読んだ後から「獄窓記」を読んでみることもよいだろう。
5.0 最後の福祉の砦としての刑務所の再構築
獄窓記の書かれた舞台裏である出獄後、そして出版その後の反響についてのお話。決して明るい話ではないのに、かくも惹きこまれ読ませられるのは著者が自身の暗部を曝け出すことを厭わないことにあるのだろう。その真摯な反省が周囲に次々と人の流れを作り、絶望の中に一筋の希望が作られていく。そこには愛があり、人情がある。

しかし、日本には希望がある。それはPFIがあるという意味ではなく、いかに名著とはいえ「獄窓記」というわずか一冊の影響で官僚、政治家、社会までもが動くということにこそあるのではないかと感じさせるそれだけの力のある一冊です。

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