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妙なる技の乙女たち

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妙なる技の乙女たちの商品レビュー

3.0 俺の読み物ではなかった(^^;)
舞台は月に向かうエレベーターが建造された近未来。このエレベーターはシンガポール沖のリンガという島に造られ、物語はここを
中心に展開されていく。内容は同じ世界観を共有した女性達の仕事に対する意気込みを描く。その職種はデザイナー、保育士、海上
のタクシー運転手など多岐にわたる。

文章はシンプルだがときどき(物語を読む上で解らなくてもよい部分なのだが)そんなことは言われても解らないと感じる部分があ
る。また、物語の中心として描かれる女性の人数が多く、その数だけ話を小分けにしてせいか物語としての厚みに欠けると思う。

書店をぶらぶらして「仕事にやりがいを持つってどういうことだろう…」と思ってなんとなく手にとってみたのだが期待していたほ
どの感動はなかった。理由は上記した物語としての厚みの問題だと思う。

また、大石まさる氏の水惑星年代記シリーズ(マンガ)とキャラの雰囲気や世界観が笑うほどに似ているのでそちらを愛読している
自分にとってそれの小説版という印象が強い。

というわけで自分にとってはあまり印象に残らない作品でしたが、今の仕事やその現状に不満がある方にわ刺激になるかも…
1.0 SFの皮を被った一般小説
物語はゴダード飛行センターなどのアメリカにある宇宙施設に労働力や施設が集中することをモデルに書かれているようですが、モデルそのものが1960年代の物で非常古く、物質的な物を伴わない(例えば工業デザインなど)ものは、かえって世界中に分散していた方が効率よく仕事が出来ると言うような、現在一般的な方法論が全く描写されていません。

あと、宇宙に有機農業を持ち出すという時代を逆行している…というか、エネルギーの入力と出力を全く考えていない言動が出てきますが、これって本当にSF小説ですか??

私が読んだのは、第六大陸、天涯の砦に続いて、三冊目に読んだ本です。
他の小説でも感じまましたが、小川先生は実務経験が無く、取材もネットや電話で終了。頭の中で完結したことを文章にしている気がします。
5.0 女の漢(?)らしい生き様
近未来。軌道エレベーターの建設により栄えた、東南アジアの一島で働く女性たちの生き様な短編集。
様々な職に就いた女性たちが、夢や誇りや恋を胸にたくましく生きてゆく様が、職種ごとに描かれています。
男が全般的にサポートのみにしか役に立っていないのも特徴的。メインはあくまで働く女性の強さです。
てっきり水商売系の話が多いのかと思っていたら、そんな安易な話はひとつもありませんでした。さすが小川一水、小細工のない面白さでした。

ただ、短編ということで魅力的なキャラたちとの別れが早く、もっと続きが読みたいのにー、というフラストレーションが溜まりがち。
読後に想像力が必要です。
5.0 現実に働く人たちに
語り口と描かれる世界のすばらしさは、この著者のファンであれば、言うまでもないので
割愛中です。それよりは着想のすばらしさを称えたい。

ずっと思ってたんですよ。
メインの物語を支える社会に焦点を当てたものはないかしら、と。
宇宙戦艦が派手なバトルを繰り広げるのだって、たとえば、戦艦が発着する宇宙港の、
戦艦の発進時の噴射に耐える耐熱板のメーカーとか、航路のナビゲートを支援するシス
テム開発者とか。レンズを装着した人々が縦横無尽に駆け巡るのだって、「グレー」の
スペーススーツをデザインしたデザイナーさんの企画会議とか、どのデザイン・スタジオ
に委託するかを打ち合わせる銀河パトロールの庶務の人とか、レンズを装着するブレス
レットを個々のレンズに合わせて受注生産で仕上げる職人さんとか。

そういう背景で物語世界を支えるあれこれが語られたものはないのかしら、と。
ありました。

また、最後のもので農業に着眼したのはすばらしい。
たくさんの太陽系外殖民惑星が舞台になるような物語で、「食べるものはどうやって賄って
いるのかしら」と、常々思っていたのですよ。

割愛中と言いつつ、最後にチラッと語り口を。
それぞれに、書き込み始めればどこまでも「ハード」になりえる素材を、あくまで「ソフト」
に「人」を中心にしているのも好感(いや、ハードも歓迎ですけど)。
デザインにあたって宗教やなんかに配慮する様や、多様なエスニックな背景をもった人々
が関わりを持っていく様も、ほのかな背景になっており、著者の「業界取材」がしっかりし
たものであることをうかがわせてくれます。
4.0 現在と未来に橋を架ける
 タイトルの通り、手に職を持った女性達が活躍する物語なのですが、物語のベースになっている世界観が興味深く感じられます。
 SFで描かれる世界の多くでは、月や衛星に生活拠点があったり、他の恒星系に人間が生活出来る環境が作られています。つまり、人間が宇宙を生活空間としている世界なわけです。でも、現代の人類の科学力は、せいぜい、宇宙に人や物を送って、そこで生存させることが精一杯。生活というレベルには達していません。こう考えると、未来史上のどこかに、「生存」を「生活」に変える転換点が存在することになります。そのミッシングリンクを描いているのが本作と言えるかもしれません。
 しかし、SFとしての面白さとは別に、働く女性にスポットを当てる作品は、描き方が難しいな、と言う感想も同時に抱きました。ツンツンしながら働くキャリアウーマンの物語を書けば、単に女性が男性のロールモデルで働く物語にしかならない。かといって、能力のある女性がかっこいい男性と出会って幸せな結婚をしました的な物語にすると、結婚が女性の幸せなのか、となってしまう。男性の物語ならこんな感想を抱かないと思うのに、女性の物語だと何かバイアスがかかるのは、ボクが男だからなのでしょうか。それとも、そういう社会的な何かが刷り込まれている?
 SFとしての着眼点も面白いのですが、こんなことも考えさせられる作品でした。

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