表題作以外にも
以前から遠藤さんのファンで、彼女のコミックスは全部持ってます。
確かに絵柄は「完璧に美しい」とは言い難いかも知れませんが、
彼女の作品には、それを補って余りある魅力があります。
押し付けがましくないメッセージ性。
「空のむこう」には表題作以外も、じんわりと心に沁みるお話が多いです。
個人的オススメは「スノウ」ですね。北海道に住んで、改めて彼女の作品の根底に流れるものに共感を覚えました。
それはまるで人の一生のような。
いつもさまざまなメッセージをこめて作品を紡いでくれるこの作者ですが、今回、続けて読むと一本の道筋が見えてきます。人が生まれる時、親としての悩みに始まり、子と親の対立、友達への偏見の問題、社会の中の因習の問題へと、その道はだんだんと険しく、重いものへと変化していきます。
始めは考え方、話し合いで何とかなっていくようにゆっくりと解決されていきますが、その問題が宗教や国という多くの人に繋がる問題になっていくと、物語は次第に個人の物語を飲み込んで行ってしまいます。
人の生の安易さと儚さと、その道行きの重さを、自分の生とは別にもう一度この本で体験してみてはいかがでしょうか。
装丁も表紙を外せばすんだ青空、内表紙はカラーで雪の中に浮かぶ少女(失礼かもしれませんが誌の作品で始めて絵だけで可愛いと思いました)と、大変凝った物になっています。
美しい装丁も魅力!
遠藤先生FAN待望の未収録作品集。
掲載雑誌、掲載年にばらつきがありますが、
総じてちょっと対象年齢高めの、読み応えある作品ばかりだと思います。
(もちろん、子供も楽しめます。遠藤先生の他の作品と比べて、という意味です。)
少女漫画を食わず嫌いの男性陣にも、取り付きやすいのではないかと思います。後悔はさせません!是非、手に入れてほしい一冊です。
収録作の「リンク」がオススメ
ホントは全部オススメですけどね。
遠藤先生の作品を手に取るのに絵で選ぶ人はいないとおもいますが、ここ数年は切れ長の目のキャラを斜め上から見下ろすアングルの絵はかなり美形に見えるようになりました。ということで「リンク」の表紙はかなり気に入ってます。あと「スノウ」はいきなり恩返し系の話か?と思わされついつい同タイトルのゲームを連想しました<ダメ人間。
これと表題作の「空のむこう」は切ないけど綺麗なラストにちょっと涙腺を刺激されました。
総じて、もうちょっとページが欲しいな、と思わされる作品ばかり。
次の新刊はいつまで待たされることやら、切ないなぁ。