たかがユースカルチャー、されどユースカルチャー
50年代のテディ・ボーイからロッカーズ、モッズ、ビートニック、ヒッピー、パンクなどを経て80年代後半のマンチェスター、レイウ゛・カルチャーまで、戦後のイギリスにおけるサブカルチャーのスタイル、風俗とその変遷を丹念に描いたもの。 それぞれの「族」のファッションや聴いていた音楽などの表層的な事柄だけでなく、社会的、政治的な背景とのつながりや、マスコミによって作られたイメージと実際との距離、各「族」間の関係なども押さえられており、簡潔にまとまっている。音楽ジャーナリズムとアカデミックなものとの中間にあるような文体で、適度に辛らつな批評をしながらも、ユースカルチャー全般に対する深い共感が感じられ、熱いものをところどころ感じる。
また、マルコム・マクラ!ーレン、ヴィヴィアン・ウエストウッド夫妻が打ち出してきたスタイルの遍歴についても妙に詳しい。
ただこのような話題を扱った本で、写真が一枚もないのは少々きついものがあるのでは。(表紙以外、この表紙は予備知識のない人がみたらただの暴走「族」、、、)。ファッション,音楽などが生まれる母体にある文化的背景に興味があるひとにおおすすめ。