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外国人力士はなぜ日本語がうまいのか―あなたに役立つ「ことば習得」のコツ

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外国人力士はなぜ日本語がうまいのか―あなたに役立つ「ことば習得」のコツの商品レビュー

1.0 幸い時代遅れになりつつある本
「外国語は必要に迫られれば、迫られた分だけ習得できるが、必要に迫られないと習得が難しい。一方で、習得すれば習得した分だけ、母国語が怪しくなってくる」という当たり前のことが、さまざまな具体例をもとに書かれている本だ。

したがって、外国語をまるで母国語のごとく完璧に習得したら、それなりの支障をきたすこともちゃんと書いてある。だが、それについてのフォローはない。一応、留学せずして語学の達人に「近づくためのヒント」は載っている。しかし要は、力士のように母国を半ば捨ててまで、外国語すなわちその外国の価値観を、自らに染み込ませる必要のある人で、尚且つ自国にとどまっている人など稀であるし、世間的にもあまりお勧めではない。結局、人はその“染み加減”に迷うのだと思う。

一方で、「人にとって外国語は苦手で当たり前。母国を同じくする人同士が外国語でしゃべるなんてフシギ」というステレオタイプをいだく読者を主な対象としていて、ついでに言うと「今どきの若者は、だらしがない」というステレオタイプも意識しているので、その読者層に当てはまらない者にとっては、かなり鼻につく。かといって、こうした当てはまらない読者層も少なくないのだが、それに対する配慮は不足している。

いずれにしても、冒頭で述べたような当たり前のことが、世間一般では必ずしも当たり前とされていないのは事実。むしろ、そのことを思い知らされて改めて愕然としてしまった。生きにくい世の中である。ただ、この本、どうやれ2ヴァージョンあるらしく、よく見ると、2001年発売分のレビューはどれも好意的で、2006年発売分のレビューはどれも否定的だ。社会がそれだけ成熟したのだと思いたい。そんな社会の成熟に本書も貢献したのなら、それはそれで意義があるといえよう。
3.0 単純に、読み物である
 タイトルどおり「外国人力士はなぜ日本語がうまいのか」についての読み物である。
この点に偽りなしで、外国人力士が日本文化になじむ(日本人化する)までのプロセスを、フィールドワーク的な取材でまとめている。この点は、非常に楽しく読めた。

 しかし、サブタイトルの “あなたに役立つ「ことば習得」のコツ” の「あなた」とは、『日本人のことではない』。
 なので、日本人が英語や他国語のあたらしい学習法を期待して 本書を読むとするなら、あきらかにアテがはずれることになる。

 「目次を見る」で確認すれば明らかだが、全8章のうち、第1章〜第5章が外国人力士のエピソード、第6章はなんと「日本語教師」に向けたメッセージであり、肝心の第7章は、著者の「留学体験」における「コツ」である。
 留学しなければ困難な学習環境&エピソードを さんざんから展開した挙句、「留学しなくても語学の達人になる方法はいくらでもある」とくくっている。
では、その方法とはなんぞや?留学せずして「周囲を外国人だらけ」にする方法があるのか?と思ったら、その記述はない。

 そもそも著者は、「外国人力士が日本の相撲部屋に入って」「周囲が日本人だらけになったから」「日本語が堪能になった」ということを全8章中、6章も使って主張しているのに、留学しなくても語学の達人・・・というのは、もとから本書の主旨と矛盾する。

 かような目次の組み方、サブタイトルのつけかたは、もはや悪質の領域に達しており、本来なら★1であるが、第5章までは 読み物としては充分におもしろく、道理にかなっていたので、まけて、この評価とした。
悪質なサブタイトルさえなければ★★★★であった。
3.0 視点を変えれば…
表題の通り、「外国人力士はなぜ日本語がうまいのか」という素朴な疑問に対して、実際の外国人力士たち(十両時代の朝青龍が新鮮!)へのインタビューや、そうした力士たちを支えるおかみさんやタニマチ、さらには相撲教習所の教官たちへの聞き込みを通して答えていくもの。この過程で明らかにされるのは、「外国語を習得したいのであれば、母国語が使えない状況に身をおきながら積極的にまわりとのコミュニケーションを深めるべし」という言ってしまえば自明の真理にすぎないけれど、少し視点を変えて、外国人力士が日本語を習得する過程を伝えてくれるものとして、あるいは外国人力士に対してどのような外国語教育がなされているかということの実情を明かしてくれるものとして読めば、それなりにおもしろい。それにしても、当たり前であったり予想済みであったりすることなのにそれがあたかも大発見であるかのようにして仰々しく語るのは、ほとんどパロディかとおもってしまうけれど。
5.0 読み物としても面白い!
外国人力士が、日本語を習得するにあたって、どんなことが起こっているのかつぶさに描かれている。彼らのハングリー精神はもちろん、おかみさんをはじめとする部屋の人たち、近所の人たち、ファンの人、いろんな人に助けられて、日本語を上達する外国人力士。
「語学を勉強する」のではなく、「相撲を通して日本に取り組む」という姿勢が、彼らの上達方法の鍵なのではないかと思った。とても参考になる本。

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